金沢駅

日中は多くの観光客で賑わうひがし茶屋街は、18時を過ぎるとガス燈が灯る静謐な雰囲気となり、昼間の喧騒とは違う一面を見せてくれます。浅野川に面したもうひとつの茶屋街である主計町（かずえまち）は、迷路のような細い路地や旦那衆が通った「暗がり坂」などしっとりとした風情を楽しむことができます。

禅をはじめ、東洋の思想をわかりやすく海外に広めた鈴木大拙（だいせつ）。その世界を建築で表現した鈴木大拙館で、建築ファンも数多く訪れるミュージアムです。いちばんの見どころは「思索空間」から眺める「水鏡の庭」。樹林を借景に建物の影が映りこむ水面は、静寂に包まれて日常を忘れ自分自身を見つめる「禅」の思想を体感できる空間となっています。

対外的な場だった兼六園に対して歴代藩主のプライベート庭園だったと考えられている玉泉院丸庭園。玉泉庵の室内からは、色紙短冊積石垣をはじめとする石垣群を借景にこの庭園を一望でき、和室では季節ごとの上生菓子で呈茶を楽しむことができます。週末の夜はライトアップされてさらに幻想的な姿を見せてくれます。

金沢では、山・海・平野から集まる多彩な食材と、関西と関東が融合した独自の食文化から「加賀料理」が生まれました。金沢の料亭で味わうことのできる加賀料理は、料理だけでなく建物や器、調度品、日本庭園、おもてなしまで、金沢の文化を五感で体験することができます。