冬の北陸はおいしいものがいっぱい【ブリ編】
北陸物語案内人の若井です。
冬の日本海の味覚といえば、寒ブリは外せません。

「ブリ起こし」と呼ばれる冬の雷が発生すると、北陸の人は「いよいよ寒ブリのシーズンがやってきた」と思います。これは北陸の常識ではありますが、北陸以外の、特に太平洋側にお住いの皆さんには「冬に雷?」って思いますよね。
雷と言えば夏のもので、冬に雷は鳴ることはあまりないでしょう。しかし、北陸では冬も雷が発生します。専門的には「冬季雷(とうきらい)」と言い、夏の雷との大きな違いは一発あたりのエネルギーの大きさ。夏の雷の100倍以上になることもあるそうです。
その雷鳴はとにかく大きく、しかも建物を揺らすくらいの重低音を伴うため、初めて聞いた人は「雷鳴」とは思わず、腰を抜かすくらい驚きます。
その雷鳴の大きさからでしょうか、“ブリが雷の音に驚いて富山湾に逃げ込み、定置網にかかる”──ブリ起こしの由来を、このようにおっしゃる人もいます。
しかし実際は、ブリ起こしは天気の急変の合図でもあり、荒れた海の上層部にいる小魚が波の穏やかな富山湾に逃げ込み、それを餌にするブリも一緒に流れ込んでくるというのがどうやら真相のようです。出世魚の代表が雷の音にビビっていてはいけません。
その寒ブリの代表といえば「ひみ寒ぶり」ではないでしょうか。

「ひみ寒ぶり」宣言期間中(12月2日現在、今年の宣言は出ていませんが、例年では今ぐらいから2月上旬まで)に氷見漁港で水揚げされたブリの中でも重さ8キロ以上で形の良いものには「ひみ寒ぶり」の名前が許されます。一昨年までは6キロ以上でしたが、昨年は7キロ以上、そして今年からは8キロ以上と基準が年々厳しくなっており、ブリの中でも「ひみ寒ぶり」までに出世するのはなかなか大変になってきました。
富山湾沿岸の定置網で獲れたブリは、巻き網などで獲れたものに比べるといたみが少なく、また、網に入った魚の3割程度しか捕獲できないため、漁業資源の保護にも寄与しているんです。

さて、ブリは漢字で書くと「鰤」。これは日本で作られた国字で、成り立ちの説のひとつに「師走においしくなるから」というのもあります。
いよいよ師走に入りました。ぜひ、おいしいブリを食べに、北陸にいらしゃいませんか?
写真提供:(公社)とやま観光推進機構


