写真提供:大本山永平寺

スピリチュアルな旅
スピリチュアルな旅A spiritual trip

富山 石川 福井
2020.10.02

北陸の地の暮らしを守り、
人々の心を支えた神仏に祈る旅。

北陸には古刹・名刹が数多くあり、今なお多くの僧が修行するお寺や、脈々と地域の暮らしを支え、住民に親しまれる神社仏閣も多くあります。
北陸の旅なら、心静かに自分と向き合う時間、心身を整え清らかにする時間をゆっくりと持つことができます。

Toyama富山県

瑞泉寺

井波彫刻の粋を集める北陸最大の大伽藍

1390年に建立された富山県の瑞泉寺。
戦国時代には170の寺院を支配した古刹でしたが、1763年に火災で焼失。
再建のために京都本願寺の御用彫刻士・前川三四郎が井波に派遣され、4名の地元大工にその技を伝えたことが井波彫刻の始まりとなりました。
瑞泉寺には、前川三四郎の作が残る山門のほか、本堂・太子堂など随所に井波彫刻の粋といえる作が散りばめられています。
見どころは、ひときわ目を引く太子堂の彫刻の数々。
見るだけで圧巻の彫り物の細工は繊細で美しく、先人の偉業に驚かされます。

境内の藤棚は
5月が見頃!

彫刻の町井波の寺院らしく、町の彫刻師たちの鑿(のみ)を打つ音がどこからともなく聞こえてくる境内では、本堂をはじめ山門や宝物殿、庭園や茶室など、注目すべき見どころが満載です。
境内を彩る桜や藤や紅葉など、季節ごとに美しい顔を見せる庭園や木々の息吹は、訪れる人を愉しませてくれます。
北陸最大の大伽藍で歴史と情緒を心ゆくまで堪能してください。

瑞泉寺

木の香りと木槌の音が響く情緒豊かな通りを散策。

随所にある
彫刻に注目!

わずか4名の職人から始まった井波彫刻。
現在では、約200人の職人の工房がまちを貫く八日町通りを中心に軒を連ね、先人の技を次代に受け継いでいます。
彫刻工房と町家が並ぶ石畳の通りには木槌の音が響き、木々の薫りが漂います。
通りには至るところに七福神や十二支などの木彫刻が飾られ、まちはさながらに木彫刻の美術館です。
暮らしに根づく井波彫刻は、その高い技術力や芸術性を広く全国から認められ、今や日本の木彫刻文化の護り手として、「日本遺産」に認定されています。

大岩山 日石寺(おおいわさん にっせきじ)

1300年の歴史ある古刹で身を清める

心身を清め、心癒される時間を「大岩山 日石寺」は真言密宗の大本山で、約1300年の歴史を有する古刹。
国の重要文化財に指定されている大岩日石寺磨崖仏は、その大きさや美しさ、保存状態から全国屈指の磨崖仏とされます。
ほかにも、国指定史跡大岩日石寺石仏、三重の塔、山門、六本滝など数々の寺院や名所があります。

百段坂沿いの
散策も楽しめる!

日石寺を語る上で外せないのが「修行体験」。
なかでも、「滝行」は、ここでしかできない体験です(要予約)。
6体の龍の口から流れ落ちる「六本瀧(ろっぽんだき)」、六大(地、水、火、風、空、識)を型どった6つの蛇口から水を落とし、うたれる人々の六根(眼根、耳根、鼻根、舌根、身根、意根)を清浄にし、一切の衆生の欲、煩悩を洗い落し、心身を清めて不動尊を参拝させる意味で造られています。
滝行で心身を清め、自分と向き合う時間を作ってみてはいかがですか。

大岩山 日石寺

修行体験と精進料理がセットになった体験プランも。

修行と精進料理で
身も心も清める!

現地の上市町観光協会では、「大岩山 日石寺」での修行体験と門前町での精進料理がセットになった体験プランなどの予約を受け付けています。
プランの一例として、写仏体験では自分と向き合い不動明王を描くことで精神を修養。
その後境内にある八十八箇所霊場を巡り、不動明王磨崖仏を拝観し護摩祈祷を体験。
精進料理をいただいた後、白衣に着替え六本滝で滝行を体験、願いを不動明王へ届けるといったものがあります。

Ishikawa石川県

大本山 總持寺祖院

禅の精神を今も伝える名刹

1321年に瑩山(けいざん)禅師が開き、永平寺と並ぶ曹洞宗の大本山として栄えてきた「大本山 總持寺」。
1898年の大火で多くを焼失し、本山は神奈川県の鶴見へと移され祖院となりました。
約2万坪の境内には、消失を免れた伝燈院、慈雲閣、経蔵のほか、七堂伽藍が再建されており、山水古木と調和し、風光幽玄な曹洞宗大本山の面影をしのばせています。

予約制で精進料理や
座禅も体験!

総持寺祖院には今なお多くの僧たちが修行に励んでいて、お経を読む様子や掃除をしている様子などを伺う事ができます。
僧侶が声をあわせお経を読む様はとても迫力があり、心が晴れやかになります。
訪れるならぜひ試みてほしいのが、経蔵内にある輪蔵(りんぞう)まわし。
約600の経典が保管されているという大きな八角形の棚があり、これを回転させることですべてのお経を読んだのと同じ功徳を得られるそうです。

大本山 總持寺祖院

輪島曽々木沖の鮮魚とふぐの天ぷら、一夜干しまで楽しめるお店。

おみやげ
コーナーも!

輪島で獲れた新鮮なお魚を使った能登丼やお刺身をいただけるおしゃれなお食事処。
店内はシンプルでおしゃれ、かわいいイラストが随所に描かれています。
いちおしは「網元御膳」。
プリプリの輪島ふぐの天ぷらがたっぷり乗ったふぐ天丼(能登丼)に、朝とれた新鮮なお刺身もいただける贅沢な御膳です。

大乗寺

鬱蒼と茂る森の中に佇む古刹

大乗寺は、1261年に永平寺の3代目祖師・徹通(てっつう)禅師が開いた曹洞宗のお寺。
永平寺と總持寺を本山とし、約700年もの間、守護・富樫氏や加賀藩の筆頭家老本多家の帰依を受け繁栄しました。
境内には仏殿、禅堂などの伽藍が回廊式に建ち、禅の道場らしい清浄閑寂な空気が漂います。

宿泊参禅も
できます!

いまも多くの僧侶が修行していて、「寒の入り」から「寒の明け」までの約25日間、冬の百日修行の一環として、金沢市内を僧侶が托鉢する姿が見られます。
素足にわらじを履いて家々の前で読経する姿は、修行の厳しさを感じるとともに、金沢の冬の風物詩となっています。
毎週日曜日の13:30からは日曜参禅会を無料で開催。
僧侶が修行している僧堂で坐禅ができるので、貴重な体験とともに心をすっきりさせてみてはいかがですか。

大乗寺

金沢市指定文化財の近代庭園でゆったりと過ごす。

拝観とお茶の
セットも魅力!

辻家庭園(旧横山家庭園)は、加賀藩家老の一族、横山隆興が別荘兼迎賓館の庭園として明治時代後期から大正時代の初期に造られたもの。
当時横山家は尾小屋銅山で莫大な財を成し、当時の予算で20万円(現在の約40億円)の巨費を投じて造られ、富士山から運んだ溶岩で作った滝や、崖地を削りあたかも自然に見える深山幽谷の森など、見どころがたくさんあります。
おすすめは秋の紅葉の時期。
庭全体が赤く染まるさまは圧巻です。

Fukui福井県

永平寺

写真提供:大本山永平寺

700年以上続く厳しい修行の場

国内外から注目される「大本山永平寺」は、曹洞宗の開祖・道元禅師が1244年に開いた坐禅の修行道場で、曹洞宗の大本山。
観光名所としても有名です。
770年以上経った今も永平寺の修行は禅宗の中でもっとも厳しいと言われ、100名を超える修行僧が修行生活を送っています。
33万平方メートルの敷地に大小70棟余りの建物が並び、特に「七堂伽藍」は7つの建物を回廊で結ぶ重要な建物で、じっくり見学するのがおすすめです。
併設の「瑠璃聖宝閣」には、道元禅師筆と伝わる「普勧坐禅儀」(国宝)をはじめとする宝物の数々が展示されています。

写真提供:大本山永平寺
写真提供:大本山永平寺

ミシュランガイド
二つ星のお寺!

見どころが多い永平寺、中でもぜひ見てほしいのが「山門」です。
永平寺最古の建物で、修行僧が正式に入門する時、そして修行を終えて永平寺を出る時の2回しか通ることが許されない、まさに「永平寺の玄関口」なのです。
「ここから先は厳しい修行の場であり、覚悟を決めて訪れた者のみ山門をくぐることが許される」という意味の言葉が門に記されています。
その厳しい覚悟を感じながら山門をくぐると、あなたの心も凛とまっすぐになるかもしれません。

永平寺

旅館のような快適さとともに坐禅や精進料理を体験。

禅の世界を
体感しよう!

「旅館と宿坊の中間に位置する施設」をコンセプトに、坐禅などの体験や本格的な精進料理などを通じて禅の心に触れることができる宿泊施設。
「大本山永平寺」の敷地内から切り出した「永平寺杉」を使用した館内には、全18室の和洋室、男女別の大浴場を備えています。
永平寺認定の“禅コンシェルジュ”が、永平寺への橋渡しはもちろん、柏樹関館内で禅の世界を案内してくれ、体験の後は大浴場でゆったりと。
禅に親しみ、越前のおもてなしに親しみ、こころを癒しませんか。

白山平泉寺

「苔宮」で中世に想いを馳せる

国史跡・白山平泉寺旧境内は、古くから信仰の対象であった霊峰白山の越前側の拠点として、717年に泰澄によって開かれたと伝えられています。
最盛期の戦国時代には、48社、36堂、6千の坊院が建ち並び、8千人もの僧兵がいたと伝えられ、当時の日本では最大規模の宗教勢力だったようです。
しかし織田信長方に仕えていた白山平泉寺は、1574年に大坂本願寺方の一向一揆勢に攻められ全山が焼失。
10年後に一部再興されましたが、境内はもとの10分の1程度となり、多くの坊院跡は山林や田畑の下に埋もれました。

美しい境内で
心も穏やかに!

現在は、明治の神仏分離令により寺号を廃止し白山神社となり、本殿と拝殿に続く精進坂を中心とした境内は一面に緑の絨毯が敷かれたように美しい苔で覆われ、「苔宮」とも呼ばれています。
その他にも、泰澄を白山に導いた女神が現れたと伝えられている御手洗池や全山焼失に耐えて残ったと伝えられる若宮八幡宮の大杉など、往時の白山平泉寺の姿をしのぶことができます。
また、発掘調査に伴い整備された南谷坊院跡の発掘地では中世の遺跡としては国内最大級の石敷道や、斜面を階段状に整えながら続く坊院群の跡を見ることができます。

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