北陸物語facebook ~里山のカタクリの花が見頃です~
北陸物語案内人の若井です。
北陸各地では今ちょうど桜が見頃を迎え、その話題に少々隠れ気味ではありますが、里山ではカタクリの花も見頃を迎えています。
カタクリは、古語では「かたかご(堅香子)」とされ、越中国司として高岡に赴任した大伴家持の詠んだ歌が万葉集に収められています。
立山山麓や白山山麓の里山を中心の各地で見られ、木々が葉を広げる前、日当たりの良い地上一面を薄紫色の花でおおい尽くす群生地は見事です。
写真は金沢市の平栗地区の群生地で、2021年4月2日に撮影しました。ここでは希少種の蝶・ギフチョウとカタクリの花のツーショットが撮れることが有名になり、昨今では県外から撮影にやってくる人も増えました。
カタクリもギフチョウも春のこの時期だけ地上活動を行うことから「スプリング・エフェメラル」(春のはかないもの)とも呼ばれています。春のひとときだけ光り輝くのは桜とも通じるものがあり、人気がありますね。
あいにくツーショットは撮れませんでしたが、かろうじて羽を休めているギフチョウも撮ることができました。
今年は桜と同様、カタクリの花も早いですね。ギフチョウはもっと早かったらしく、今年のシーズンは終盤らしいです。
平栗地区の群生地では花が揃っていて、例年よりも見応えがある気がします(あくまでも個人的な感想です!)。
北陸では富山県富山市の猿倉山や福井県大野市の矢ばなの里などの大群落も知られています。
花の見ごろは標高などによって大きく異なり、ソメイヨシノやヤマザクラとほぼ同じで、4月中なら北陸のどこかで見られます。
ちなみに、カタクリという名前から想像がつくかもしれませんが、かつては地下茎から片栗粉を作っていました。しかし、現在はところによって絶滅が危惧される希少種となり、カタクリから作った片栗粉は幻となってしまいました。
さらにちなみに、カタクリの花言葉は「初恋」だそうです。初恋の記憶なんて遥か彼方に遠のいてしまった身にはよくわかりませんが(笑)。