福井名物「花らっきょう」がおいしいワケ
北陸物語案内人の若井です。
福井県坂井市から福井市にかけての海沿いには、「三里浜(さんりはま)」と呼ばれる砂丘地があります。ここではスイカ、ダイコン、メロンなどさまざまな農作物が盛んに栽培されていますが、代表するのは、やはり「らっきょう」です。
三里浜特産のらっきょうは「花らっきょう」と呼ばれており、一般的ならっきょうが植え付けの翌年に収穫されるのに対し、三里浜ではおおむね翌々年の夏に収穫します。全国的にも珍しく、足かけ3年をかけて育てることから「三年子(さんねんこ)」とも言われています。

この1年余分に栽培することで分球が進み、小粒で繊維が細かく、身の引き締まった、歯ざわりのよいらっきょうになります。食べ比べてみると、その違いははっきり分かるでしょう。
一般的な食べ方は酢漬けですが、坂井市三国町にある「三國湊座」の「三国バーガー」や、道の駅みくに「ふれあいパーク三里浜」の「らっきょラーメン」など、特産地ならではのユニークなメニューもあります。どちらも「花らっきょう」のシャキシャキとした食感がアクセントとなっています。
北陸を旅するなら、このような“知る人ぞ知る”、他の地域では味わえないこだわり素材との出会いも楽しみ。

10月下旬から11月上旬には、薄紅色の可憐ならっきょうの花が咲き誇ります。美しい花を眺めながら、「花らっきょう」を味わってみてはいかがでしょうか。
(写真提供/福井県観光連盟)
2025.09.29