北陸の豊かな自然を実感できる野生動物との出遭い
北陸物語案内の若井です。
北陸の魅力というと「食」や「工芸」を思い浮かべる方も多いでしょう。
それももちろんですが、ぜひ「自然の豊かさ」も加えていただけたらと思っています。
白山や立山の広大なブナの原生林、山に積もった大量の雪がもたらす豊かな地下水、藍瓶(あいがめ)とも呼ばれる深い富山湾、リアス式の複雑な海岸が続く若狭湾などなど、地形を含め、豊かで独特な自然環境があります。もちろん、これらがあるからこそ、魅力的な食や工芸が成り立っているのは言うまでもありません。
観光に来て豊かな自然を実感していただけることの一つに、野生動物との出遭いがあります。
できれば出遭いたくない、怖い動物もいますが、人に危害を加える心配がなく、しかも愛くるしい姿に、出遭えるとテンションが上がったり、キュンとしてしまったりするのが国特別天然記念物のライチョウです。
特別天然記念物の野生動物には普通は簡単に出遭うことはできず、それはライチョウも同じですが、立山黒部アルペンルートの室堂では、駅周辺を歩くだけでも比較的簡単に見ることができます。人を警戒することがあまりなく、なかには足元をすり抜けていく強者もいたりします。
4〜6月は繁殖期にあたり、オスは自分の縄張りに他のオスが入り込まないよう、見通しの効く岩の上などに立って、監視しています。その姿は遠くからでも目立ちますので、この時期はライチョウを発見しやすく、雷鳥の観察にはベストシーズンと言えます。
7月にはヒナがかえり、夏から秋にかけて、ヒナを連れた愛らしい母子の姿を目にすることができたらラッキーですね。
ライチョウは国の特別天然記念物で、その数は減少していて、国内の生息数は2000羽弱と想定されています。立山地域に生息しているライチョウは200〜300羽と考えられています。
地球温暖化の影響は高山帯の自然環境にも大きな影響があり、立山で雷鳥に出遭うたびに、この環境を守り伝えていくことの大切さを感じています。