北陸物語facebook ~とろろ昆布とおぼろ昆布の違いとは?~
北陸物語案内人の若井です。
江戸時代から明治時代に盛んとなった「北前船」と呼ばれる交易船により、北陸地方では昆布を多用する食文化が根付いています。
富山県でおにぎりを包んだり、おでんにトッピングしたりする「とろろ昆布」はお馴染みですが、似て非なるものに「おぼろ昆布」というものがあります。
これは、昆布の平面を職人が包丁を用いて手作業で削るもので、薄く削られた昆布を通して、向こう側がおぼろげに見えることから、その名がついたと言われます。
手すきのおぼろ昆布は、その大半が福井県敦賀市で作られています。食べ方としては、海苔のようにおにぎりに巻いたり、お吸い物にトッピングしたり、熱々のご飯にそのままのせたりして食べてもおいしく、基本的にはとろろ昆布と同じ食べ方で楽しめます。
気になるお味は、とろろ昆布に比べると、口の中でとろけるような食感で、しかも昆布のうま味をしっかり感じることができます。
ちなみに、とろろ昆布は圧をかけて重ねた昆布の側面を削るもので、削る方向が全く違い、また機械で削ることができるので、おぼろ昆布に比べると安価にできるというメリットがあります。
敦賀にはおぼろ昆布を扱うお店がいくつもあり、おぼろ昆布を削る様子を実演していたり、削りたてを試食させてくれたりするお店もあります。
お土産にも最適で、北陸新幹線で敦賀に行ったら、ぜひそんなお店を訪ねてみてください。
(写真提供:福井県観光連盟)