富山市岩瀬にある物語に出てきそうなムードあるお店
こんにちは。北陸物語案内人の若井です。
富山市岩瀬と言えば、かつて北前船の寄港地として大いに栄えたところ。往時の面影を色濃く残す、廻船問屋だった古い家並みが続く通りからは少し離れたところに、私のお気に入りのお店があります。

「COMMON 天下堂」というそのお店はツタのからまる外観で、1階が洋品店、2階が喫茶店。2階に行くには洋服や小物が並ぶ1階を横切って奥の階段から上るという、ユニークな構造です。
喫茶店では食事もできますが、メニューはカレーセットかハヤシライスセットのどちらかのみ。セットにはサラダとコーヒーなどが付きます。このカレーがスパイシーでとにかくおいしいんです。でもこのお店の魅力はそれだけではありません。1階も2階もまるで時間が止まったような、古き良き時代のムードがあり、小説や映画の舞台になりそうな雰囲気がたまりません。2階にはそこかしこに素敵な写真が飾られていて、小さなギャラリーもあります。聞けばマスターが全てフィルムカメラで撮影したものだとか。このお店は富山市の中心部にある老舗の洋品店が30年以上前につくったもの。個性豊かで世界的にも知られた飲食店が点在する岩瀬の中でも、異彩を放つ存在です。時の流れがギュッと凝縮されたような空間でのんびりできる贅沢がたまりません。マスターのお話しも興味深く、この時は古いパナマ帽を見せてくれたり、楽しいひと時を過ごすことができました。

ちなみに、このお店を訪ねるのは2回目で、前回もカレーを注文して感動し、「じゃあ次回はハヤシライスを食べてみよう!」と心に決めていたんですけど、すっかり忘れてカレーを注文してしまいました。「次回こそ、ハヤシライスを食べよう!」と、誓いを新たにしています。
(写真・文/フォトライター 若井憲)
2026.07.08


