米づくりに欠かせない水を公平に分ける「円筒分水槽」

自然 フォトスポット 通年 富山県 呉西

北陸物語案内人の若井です。

今年は例年にも増して米の豊作を祈って止みませんが、その米づくりに欠かせないのが水。水をめぐっての争いは全国各地で昔からありますが、それを丸く収めてくれるのが「円筒分水槽」と呼ばれる、用水の水を公平に分ける装置です。大正から昭和を中心に、全国各地で作られて、深刻な「水騒動」を解決してきました。

円形の水槽の中央から溢れ出した水が、きっちりと公平に分配されている様子には、なぜか見入ってしまう魅力があり、全国各地に今も残っている円筒分水槽を訪ね歩くマニアもいるそうです。

北陸三県にあるのは私が調べた限りでは、富山県に5つのみのようです。

具体的には魚津市に2つ、上市町に1つ、氷見市に1つ、南砺市に1つあります。魚津市にある東山円筒分水槽は「日本一美しい円筒分水槽」とも言われ、全国的にも知られるようになりましたね。

今回訪ねたのは、南砺市にある「赤祖父円筒分水槽」です。直径約3メートルと小ぶりではありますが、そのシンプルなつくりに親しみを覚えます。すぐ上にある赤祖父ため池の水を分けるため、昭和24年(1949)にできました。富山県内では最古で国の登録有形文化財となっています。赤祖父円筒分水槽の先には砺波平野も見ることができ、個人的には東山円筒分水槽に負けない、美しい円筒分水槽だと思っています。

溢れ出る水は眺めていても飽きません
水源となっている「赤祖父ため池」ではヘラブナ釣りが楽しめます
2025.06.03
記事のテーマ
閉じる








季節
閉じる





エリア
閉じる
検索
閉じる








ページトップへ
MENU