堅牢で美しい輪島塗を使ってみませんか

北陸物語案内人の若井です。

輪島塗は、珪藻土の粉を下地に塗り、フチなどの破損しやすい部分に布を貼る「布着せ技法」が特徴で、その上に幾重にも漆が塗られて、とても丈夫にできています。

輪島塗の工程の特徴としては、「分業化」ということがあります。お椀一つを完成させるまでに、100以上の手数を経て、最低でも4〜5人の職人が関わり、半年ほどかけて仕上げていきます。沈金や蒔絵といった加飾をする場合は、さらに人手も時間もかかります。

分業化によってそれぞれの工程のスペシャリストがいるから、作品のクオリティーも上がります。

輪島塗は修理して使うことを前提に考えて作られているので、痛んだり、欠けたりしても直して半永久的に使うことができます。日常使いすることで、今の時代、改めて見直したい「物を大切にする心」も育みます。

現在の暮らしにマッチした洋食器も多くあり、例えばマグカップなら、手触りが優しく馴染み、熱い飲み物を入れても外側は熱くならず、保温効果もあるので冷めにくく、さらに陶器やガラスと違って、落としても簡単には壊れないということもあります。普段使いの食器としては少し値段が高いと思われるかもしれませんが、良いものを使えばテンションが上がりますし、そして長く使えることを考えれば、決して高くないですよね。

地震で大きな被害を受けた輪島塗。職人の多くが被災して、工房は焼けてしまったり、壊れてしまったりして、思うように生産ができていませんが、それでも被災を免れた作品などが石川県内はもちろん、全国各地でも販売されています。

輪島塗を販売しているのを見かけて、気に入ったものがあれば、ぜひ、普段の暮らしに迎え入れてみてはいかがでしょうか。

(写真提供/石川県観光連盟)

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