今年はひと際華やかに咲いて欲しい! 美しい桜に秘められた秘話 〜足羽神社のシダレザクラ編〜
北陸物語案内人の若井です。
福井市で足羽川桜並木とあわせて、日本さくら名所100選に選ばれているのが足羽山公園。
足羽山は足羽川のすぐ近くにある標高116mの里山で、ソメイヨシノなど約3500本の桜があります。
その中でも特別な存在なのが、古くから「足羽さんのしだれざくら」と親しまれてきた、足羽神社の社殿前に鎮座するシダレザクラです。推定樹齢は380年と言われ、高さ約11mのきれいなドーム型をしています。
この桜は明治時代の大火や福井大空襲など、何度となく災害に遭いました。空襲で一面が焼け野原になった時には、この桜が唯一残り、市民にとっては、その存在が心の拠りどころとなりました。
2023年の1月、雪により戦災で残った一番古い部分が折れてしまいました。それでもその年の春には写真の通り、何事もなかったかのように見事な花を咲かせてくれました。この桜の生命力の強さを感じます。
ちなみに、古くから福井でお花見といえば、足羽山が人気で、花見と一緒に茶屋で名物の豆腐田楽やこんにゃくおでんを食べるのが楽しみだとか。今も多くの茶屋で食べることができますので、こちらもぜひ。
(シダレザクラは2023年に、豆腐田楽とこんにゃくおでんは「大久保茶屋」で2024年に撮影しました)