地味にすごい、福井
北陸物語案内人の若井です。
もうすぐ北陸新幹線が開業する福井県。
改めて、福井県の魅力をピックアップしてみましょう。
福井県を代表する観光スポットといえば東尋坊。ここは「輝石安山岩の柱状節理」という、世界中でもわずかしかない地質学的に非常に珍しいところでもあります。
同じく福井県を代表する観光スポットの永平寺は、曹洞宗の大本山で、厳しい修行の場としても有名。国内はもとより、世界中からZENの世界に関心があるたくさんの人が訪れます。
福井といえば恐竜も忘れてはいけません。福井県立恐竜博物館は展示している恐竜の全身骨格標本の数が世界トップクラスで、世界三大恐竜博物館の一つ。この博物館のある勝山からは日本で最初に新種として認められた「フクイラプトル」の化石が発掘されました。時間を遡るといえば、若狭町の水月湖の年縞(湖底の堆積物が年輪のように積み重なっているもの)は、地質学的年代決定での「世界標準」となっています。
時代は中世の頃。福井市の一乗谷朝倉氏遺跡は、1万人が暮らしていた戦国時代の城下町の跡がそっくり残っている非常に珍しいもので、「遺跡の国宝」といわれる「国の特別史跡」に指定されています。勝山市には同じ時代の国史跡白山平泉寺旧境内があり、広大な宗教都市の一部が発掘され、往時の石畳の道などを実際に歩くこともできます。この2つの史跡は、戦国ファンにはたまらないものでしょう。
福井はたびたび歴史の表舞台に登場することがあり、織田信長、豊臣秀吉、徳川家康を敗走させた「金ヶ崎の退き口」など、大河ドラマの舞台としても言わば常連。大河ドラマといえば、現在放送中の『光る君へ』の紫式部が、生涯で唯一、都を離れて暮らしたことがあるのが越前市でした。
福井県は南北朝時代の武将・新田義貞の終焉の地でもあり、幕末には幕末の四賢侯のひとり、松平春嶽を頼りにしていた坂本龍馬は2度福井を訪れています。福井県を駆けぬけていった歴史上の人物は、そのまま日本史を語れるほどの面々でもあります。
新幹線の駅が開業する敦賀はかつて、東京の新橋駅から敦賀港駅まで欧亜国際連絡列車が走り、シベリア鉄道を経由してヨーロッパへとつながる、日本のヨーロッパへの玄関口として賑わっていました。
いかがですか? 今回は歴史を中心に福井の魅力をご紹介しました。
福井県って、すごいことがたくさんあることをお分かりいただけましたでしょうか? ただ、ややマニアックなことも多いので、それがあまり知られていないというのも事実。
そんな実情も踏まえてか、北陸新幹線福井・敦賀開業PRのキャッチコピーは、
「地味にすごい、福井」
確かに地味ではありますが、ほんとすごいんです、福井県は。
北陸新幹線の開業で、そんな福井のすごさを広く知ってもらえるいい機会ではないかと思います。
(写真は恐竜一色の福井駅前の広場。ここは決して地味ではないですね)