北陸物語facebook ~北陸の鉄道図鑑 福井鉄道~

北陸物語案内人の若井です。

皆さんにぜひ乗って欲しいなと思う、北陸の鉄道を順番に紹介していくこのシリーズ。いよいよ最終回となる第18回は「福井鉄道」です。地元では「ふくてつ」と呼び親しまれていますね。

福武線を走る相互乗り入れのえちぜん鉄道キーボ(福井地方・家庭・簡易裁判所前)

路線は、たけふ新駅と田原町駅を結び、北陸本線とは付かず離れずして並走している福武線のみ。途中、福井城址大名町駅からは福井駅停留場へと延びる支線もあります。田原町駅ではえちぜん鉄道三国芦原線と接続しており、2016年から相互乗り入れが開始され、たけふ新駅と三国芦原線鷲塚針原駅間を一部の列車が直通運転されています。赤十字前駅付近から田原町駅までと途中の福井駅停留場までの支線が道路上を走る併用軌道(路面電車)となっています。

福井鉄道は2009年から、えちぜん鉄道と同じ第三セクターの鉄道となっており、来年誕生するハピラインふくいと合わせると福井県内には3社の第三セクター鉄道ができることになります。

「レトラム」は来年から通年で走るようにする予定

そんな福井鉄道ですが、2014年から元ドイツ・シュトゥットガルト市電の車両を導入し、「レトラム」と名づけて、春と秋の土休日に運転したり、今年3月には新型車両「フクラムライナー」を導入したり、また北府駅には「北府駅鉄道ミュージアム」がオープンしたりと、元気さをアピールする話題を振りまいています。北府駅の本屋と隣の北府駅車両工場は国の登録有形文化財に登録された歴史ある建物で、福武線で活躍した200形電車の展示のほか、本屋内では昔懐かしい資料の数々などを展示する博物館も併設されており、レトロなムードが好きな方や鉄道ファンとっては、途中下車必至の駅でしょう。

北府駅に着いたフクラムライナー(F2000形)。左奥が北府駅車両工場
北府駅鉄道ミュージアムの200形電車

余談ですが、『サラダ記念日』で知られる歌人の俵万智さんは、高校時代に田原町駅を利用していたそうで、これがペンネームの由来と思われることもあるようですが、れっきとした本名だそうです。田原町駅のおかげで人からすぐに名前を覚えられたのだとか。

北陸の鉄道を紹介する連載、いかがでしたでしょうか。

来年の春にはいよいよ北陸新幹線が敦賀駅まで延伸し、北陸三県を結ぶことになります。新幹線で降り立ちましたら、その先のローカル線の旅もぜひお楽しみください。

近未来的な福井駅周辺を走る770形

【福井鉄道福武線】路線距離:20.9km+0.6km 軌間:1067mm 駅数:25 電化:直流(600V)

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