北陸物語facebook ~旅情誘う終着駅を訪ねる・城端駅編~

北陸物語案内人の若井です。

突然ですが、「終着駅」って言葉に郷愁と旅情を感じませんか?

この先に続く線路がない、いわゆるどん詰まりの駅。

そこに降り立った時、一抹の淋しさと共に、遠くの町にやってきたという気持ちになったりします。そんな魅力に取りつかれて、全国各地の終着駅を訪ね回っている鉄道ファンも多いようです。

さて、ここ北陸にも、「乗り鉄」に限らず、旅の途中で立ち寄ってみたくなる、旅愁を感じさせてくれる終着駅がいくつかあります。折にふれて、皆さんにご紹介していきたいと思います。

記念すべき第1回は、富山県南砺市にある城端線城端駅をご紹介します。

城端駅は、高岡駅からこの駅に至る29.9kmの城端線の終点で、城端線は途中、北陸新幹線新高岡駅に接続しています。この駅は明治30年(1897)に開業。五箇山からの木炭などの集散地で、かつては貨物輸送も行い、またここからは、さらに電力会社の専用線が延びていたみたいです。往時の賑わいぶりはわずかに残った貨物ホームの跡と、最近掘り起こされた転車台(SLの向きを変えるターンテーブル)などに見ることができます。

途切れた線路の向こうには深い山が連なり、この先へ線路を延ばすことをはばんでいるかのようです。

行き止まりの車止がある側から眺めた駅

そして、郷愁を誘う古めかしい駅舎は、なんと開業当時からのもので、中部の駅百選、とやまの近代歴史百選にも選ばれています。観光ポスターやドラマの舞台などでも使用され、ホームを含めてとても絵になります。

この駅からは世界遺産の五箇山や白川郷へ向かうバスが発着しています。そちら方面への観光の際は、城端駅経由で出かけてみてはいかがでしょうか。

城端駅を出発する高岡駅の列車。背後には高い山がそびえる
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