北陸物語facebook ~持続可能な知恵が詰まった、次世代に継ぎたい北陸のモノ・コト(その4)~
北陸物語案内人の若井です。
SDGsでも注目の「持続可能」をキーワードに、北陸の魅力を見つめ直す旅案内、その第4弾です。
今回紹介するのは、「金沢の用水めぐり」です。金沢市内の平野部には網の目のように用水が張り巡らされていて、その数は55本にも及びます。
長町武家屋敷跡を流れる「大野庄用水」(写真)、せせらぎ通り商店街を流れる「鞍月用水」、そして流れの一部が兼六園に取り込まれている「辰巳用水」をはじめ、金沢のまちを観光すると、そこかしこで用水に出合います。金沢駅に降り立ち、多くの皆さんが最初に目にする「金沢駅もてなしドーム」。その中をせせらぎが流れていますが、実はこれも辰巳用水から分水したものなんです。
これらの用水は藩政期から引き継いできた歴史遺産。金沢は大きな災害や戦禍に合わなかったためにこのような景観が残り、さらには50年以上も前、全国に先駆けて景観条例を制定するなど、先進的な考えのもと、しっかりと保護されてきました。
景観だけでなく、「鞍月用水」や「大野庄用水」など今も現役で農業用水として使われているものも多く、その役割をしっかりと果たしています。さらに、近年では「グリーンインフラ」という考えの中で、安心・安全で豊かな都市の暮らしに役立つものとしても注目されてきました。
まあ、堅苦しい話は置いといて、水が流れている風景って癒されますよね。そして、そんな水の流れが身近に感じられる機会も少なくなってきていませんか?
水を身近に感じることから、自然や環境への意識も高まってくると思いますので、この美しい流れを守っていくことが、持続可能な都市であり続けることにつながります。
用水が流れる町ってどこも魅力的なところが多いのは、案外そんな理由かもしれないと思います。 金沢ではこの美しい流れがあるおかげで、まちの中心部近くでも夏になればホタルを見ることができるんです。これって結構すごいことだと思いませんか。