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福井市足羽山から産出される「笏谷石(しゃくだにいし)」を巡る。

北陸物語案内人の若井です。

今日はちょっとカタイ話をしましょう。
といっても、硬い石のことで、なるべくやわらかく書きますね(笑)。

その土地の特有のものを「ご当地○○」とよく言います。ご当地グルメ、ご当地キャラなどはその代表でしょうが、実は石、石材の世界にも、その土地特有のもの、つまりご当地石材と言えるものがたくさんあります。栃木県宇都宮市で産出される軽石凝灰岩の「大谷石」は、その代表でしょう。
歴史のあるものは、その石材の分布を知ることから、往時の物流を知る手掛かりとなります。

北陸にもご当地石材と呼べるものがいくつもありますが、そのひとつが福井県福井市の足羽山から産出された「笏谷石(しゃくだにいし)」です。「産出された」と過去形なのは、1998年に採掘を終了しているためで、現在では入手が難しい高級石材となっています。

火山礫凝灰岩という種類に分類される笏谷石は、加工しやすく、全体が美しい灰青緑色をしていて、特に雨などの水にぬれるとしっとりとした緑色に変わり、石材として人気があります。

4~6世紀ころの古墳の石棺に使われ、一乗谷朝倉氏遺跡からは笏谷石製の石仏や石塔が多数出土されました。戦国時代に柴田勝家が築城した「北ノ庄城」にも、その後に築かれた「福井城」にも笏谷石が使われました。

そして、この石のすごいところが、三国湊から北前船に乗せられて広い地域へ運ばれたこと。重い石は、船を安定させるバラストの役割も兼ねていたそうです。
今も北海道をはじめ、北前船が寄港した各地には墓石をはじめ、石材として使われている笏谷石をたくさん見ることができます。笏谷石の分布はこのようにとても広い範囲に及んでいます。

笏谷石に興味を持っていただけたら、福井市内の笏谷石を巡ってみてはいかがでしょうか?

福井城の石垣、足羽神社へと続く愛宕坂の石段、足羽山山上に立つ継体天皇像などがその代表。まるで地下宮殿のような採掘跡は立ち入り禁止ですが、朝日山不動寺の境内では笏谷石の露天掘り跡を眺めることができます。

また、昨年復元公開された福井城の山里口御門は屋根瓦と土塀の腰板に往時のままに笏谷石を用いています。

福井の旅をよりディープに楽しむためのキーワードが「笏谷石」。ほかにもさまざまなところで見つけることができますので、ぜひ探してみてください。



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