福井県で見られる今だけの絶景
北陸物語案内人の若井です。
9月中旬から下旬にかけて福井県内の田園地帯を車や電車で走っていると、そこかしこで白い花が咲く畑を見かけます。そばの花です。
見渡す限りそばの花が咲いている雄大な風景に出会うと、思わず見入ってしまいます。

いま花の見ごろを迎えているのは、「秋そば」と言って、夏に種をまき、10~11月に収穫されるそばです。
福井では、室町時代中期の武将・朝倉孝景が短期間で栽培できるそばを籠城用の食料にしたことが始まりと言われ、江戸時代には越前府中城主の本多富正が、荒地でも栽培しやすいそばの栽培を奨励した記録が残っているそうです。さらに富正は、大根のすりおろしをかけた蕎麦を作らせたと伝わり、これが越前おろしそばの始まりとも言われます(諸説あります)。
福井県では、米を収穫した田んぼに大麦の種を蒔き、翌年に大麦を収穫したら8月にはそばを蒔く、「2年3作」と呼ぶ輪作が広く行われるようになり、これによってそばの作付面積が飛躍的に増えたそうです。そして栽培されているそばは風味の良い在来種というのが福井県の大きな特徴でもあります。品種改良されていない在来種は風味の良さが自慢で、福井県がおいしいそばの産地としてつとに知られるようになりました。

ちなみに、そばの花には株によって雌しべの長い「長柱花」と雌しべの短い「短柱花」の2種類があり、同じ種類同士では受粉できず、受粉するには風や虫頼りとなります。そのため虫が少ない年や雨が多かった年は収穫が減ってしまうのだとか。そばは水に弱いため大雨の影響も受けやすく、異常気象が続く昨今、順調に育ってくれることを願うばかりです。
そばの花を眺めていると、新そばが食べたくなりますが、お店で新そばが食べられるようになるのは11〜12月とまだ、ちょっと先。
待ち遠しいですね。
(写真提供/福井県観光連盟)


