時間と生命のアート、「ブリリアントハートミュージアム」/福井県坂井市

アート 春 夏 秋 福井県 嶺北

坂井市三国町の丘の上に佇む美術館「ブリリアントハートミュージアム」。扉を開くと、神秘の島とされる雄島の風景が、一枚の絵画として広がります。額縁となる4m×1.5mの大きな窓は、雄島の位置や水平線のバランスまで計算され尽くしたもの。風の音、波の響き、鳥の囁きは時間や季節とともにうつろい、訪れた人をただ一度だけの体験へと誘います。

「ここは時間に生命を感じることができるミュージアムです」そう語るのは、日本を代表するアートディレクターとして、長年にわたり活躍する戸田正寿さん。2018年、故郷の三国町に、この美術館をオープンしました。

空間には白いテーブルとともに、窓の正面、サイド、壁際に椅子が置かれています。「すべての椅子に座ってみてください」と戸田さん。そこには、雄島、岩壁と波、空と水平線と、それぞれ異なる3枚の風景が切り取られていました。

晴れた日は、太陽の光を受けて鮮やかな虹が無数に広がり、時とともに移動していきます。これは戸田さんの発明で、特許を持つ「Seijuカット」という特殊なクリスタルによる仕掛け。雄島ともに、同じ姿を留めることのない自然のアートです。

壁面に展示されているのは、縄文土器のかけらでつくられた作品「5千年の顔」です。5000年前の縄文土器のかけら約500個を使っていて、なかには人の手の跡が残るものもあるのだそう。光彩を受けて変化する表情に、日本人の原点となる歴史と生命力が感じられます。

また、館内にある2台のモニターからは季節の雄島と光る虹のアートが流れ、四季の美しさに触れることができます。

鑑賞中は、戸田さんの奥さまがいれたお抹茶と地元の和菓子を堪能できます。不定期になりますが、この空間で「抹茶の会」を開くこともあるのだとか。

ミュージアムは予約制で、滞在時間はひとり1時間。都会の喧騒から離れ、スマホを置き、自然に向き合うひとときは、まるで別世界にいるかのよう。晴れた日の虹のパラダイス、水墨画を思わせる曇り空、夕焼けに染まる海と空など、季節や時間を変えて何度も訪れたくなりました。

ブリリアントハートミュージアム
https://www.brilliant-heart-museum.jp/
福井県坂井市三国町安島26−21

開館日: 4月1日〜11月30日 金曜日・土曜日・日曜日・祝日
開館時間: 11:00〜17:00(最終入館 16:00)
入館料:3,000円(税込) ※入館料の中に抹茶と一口サイズのお菓子がつきます。
入館には予約が必要となります。 虹:太陽光が当たる11:00〜15:00だけ、虹が生まれます。

ライター 武澤和代

2026.10.29
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