日本酒だけではないんです! 北陸が誇るワイナリーを訪ねてみました。

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■ ドメーヌ・ボー(富山県南砺市)
 

酒屋を営んでいた当時70歳だった創業者がこの立野原の景観を好み、2019年からワインの木を植え始めました。フランスやイタリアのように、この地にもぶどうが育ち、必ずや美味しいワインができるはずだと。丹精込めてぶどうと畑仕事に向き合い、ワイン作りをいちから始めたそうです。

閉店間際に飛び込んだにも関わらず、このような説明に加え、ワイナリー見学をさせてくれました。
現在は欧州産ぶどう品種のみを扱い、16品種を栽培。冬季はぶどうの木が雪に埋もれるため、害虫や病原菌が一掃され、より健全な強い樹になり果実が実ります。
 
雪に埋もれるワイナリーは日本でそう多くはなく、経験値から雪が多かった年ほど甘みがあるワインが作られるそうです。さらには長年日本酒作りに携わり、その技法をワイン作りにも応用するなど、和の文化とかけあった面白さもあるワイナリー。
そんな彼らの心意気が伝わってきます。
 

[立野原メルロー2022]
 やや青さの残るメルローの香。さらっとした渋さがあるが、料理と共に気軽に楽しめそう。
【トレボー株式会社(ドメーヌ・ボーワイナリー)】富山県南砺市立野原西1197

 

 

■ 能登ワイン(石川県穴水町)
 

広大な丘の上にひときわ目立つ大きな建物の中へ。ここは穴水町の能登ワイナリー。2024年元旦の震災から、よくぞここまで再建できたととても嬉しく思いました。

出迎えてくれたハキハキとしたお嬢さんが、ワイナリーの特徴をしっかり説明してくれます。
 

能登の気候と穴水町名物の牡蠣の殻を活用した土壌改良。海のミネラルを含んだ土が美味しいぶどうに繋がっているのだそう。そして年間を通し大切に育て販売しているこのワインを、少しでも多くの人に飲んで欲しいとのことでした。
  
震災を経てスタッフが一丸となり、より一層強くなったワインへの情熱がワインの美味しさにつながっているのだと思います。能登ワインとの相性がいいお料理レシピもたくさん考案し、無料で配布しているところも嬉しいですね。
 

[心の雫樽熟成]
 カシスのような黒い果実の香り。 甘く香ばしいスパイシーな香りもあるが、クリアで重く、しっかりとした気品ある味。まさしく赤ワインの王道である。
【能登ワイン株式会社】石川県穴水町旭ヶ丘5番1  

 

ハイディワイナリー(石川県輪島市門前町)
 

ハイディワイナリーのぶどう畑は、石川県輪島市門前町にあります。
海と里山に囲まれた能登半島・西海岸沿いの小さな町で、ワインづくりに適した質の高い環境に彼ら(兄妹)が惚み、ゼロから畑を開墾したんだそう。社名の「ハイディー」は、『アルプスの少女ハイジ』に由来。私も幼き頃にテレビで観た大好きな少女(アニメ)です。

このワイナリー、あるがままの自然を受け入れながら、ほどよく人の手を加えることで良さを引き出す、そんなワインづくりを行っています。しかしながら、大地震は全く予想だにしなかったことです。それでも目指すのは日本海で生まれ育った海の幸と同じように、日本海で育ったワイン、この地に質の高い新たな食文化を誕生させること。凄いです。

震災の影響を受け、まだまだ大変な日々が続きますが、それでも信念を持ち続け、先ずはできることから一歩ずつ頑張っておられました。
店内に仮設売り場を設けて、販売とネット販売を開始しています。金沢駅西のクロスゲートでも少し購入できるようです。

「何かお手伝い出来ること」ーーーそれは一押しのワインを購入する事でした。
 
[千里 カベルネ・ソーヴィニヨン ロゼ2022]
 フレッシュでフルーティーなベリー香が、キュートに、スカッと。
 そこにはまるで能登の風が吹いているようでこれまで感じたこともない旨みと、力強さが漂っていた。
【株式会社ハイディワイナリー】石川県輪島市門前町千代31-21-1

 

白山ワイナリー(福井県大野市)

「白山ワイナリー」は自生するぶどうからワインを作っているこだわりのワイナリー。

白山ワイナリーの主要なぶどう品種は「自生の山ブドウ」、「ヤマソーヴィニヨン」、「小公子」の三つです。
 
「自生の山ブドウ」は、大野の山に自生しているもので、登山者や地元の人たちはその果実を絞って飲んでいたそう。粒は小さく、皮は厚く可食部が少ないため果汁は少ないですが、耐病性に優れ、比較的栽培もしやすいとのこと。このぶどうを使いたいという創設者の強い意志で試行錯誤の上にたどり着いたのが、「白山やまぶどうワイン」です。

  
主要なぶどう品種の残る2つは、山ブドウとの交配品種。
「ヤマソーヴィニヨン」は、山ブドウと赤ワイン品種の代表カベルネ・ソーヴィニヨンの交配品種から作られたもので、とても芳醇な香りがある品種です。
 

「小公子」はヒマラヤと中国、日本の山ブドウの交配品種。深黒赤紫色で、エレガントな香りとすっきりとした酸味に、豊かな果実味が特徴です。

そして白山ワイナリーのユニークな特徴が、畑のサポーター制度です。登録した人が畑に来て作業をするというもので、もうすでに全国から何十名もの人が登録しているといいます。サポーターが働いた年の翌年には、一生懸命に作った「小公子」をもらえるそうですよ。

 

 [小公子]白山ワイナリー一番のお勧め。山ブドウの味わいを堪能できる。
 [ヤマソーヴィニヨン]新幹線開業イベントの恐竜柄の限定品。濃い赤紫色でふくよか。
【株式会社 白山やまぶどうワイン】福井県大野市落合2-24 

 

仕平幹子(しへいみきこ)
郷土料理研究家、フード&食空間コーディネーター、栄養士、だしソムリエ、米粉マイスター、飾り巻き寿司マスターインストラクター。
伝統料理を中心に、旬を大切にした家庭料理やお菓子などのアイデアレシピを発信。食べること、お酒を飲むことが大好き!

2025.05.21
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