ふらりと寄って、たっぷり癒される。北陸有名温泉の日帰り湯3選。
北陸3県の有名な温泉を気軽に楽しむなら、日帰り入浴がおすすめ。思い立ったらすぐ行ける日帰り湯3選を紹介します。
■ 宇奈月温泉総湯「湯めどころ宇奈月」(富山県黒部市)
最初に紹介するのは、富山県宇奈月にある宇奈月温泉。
同温泉はお肌にやさしい4つの条件「弱アルカリ性」「炭酸ガス」「イオンバランス」「ミネラル成分」が揃った「美肌の湯」が有名で、日本一透明なお湯としても知られます。
訪れたのは「湯めどころ宇奈月」。
「観光客と地域の人が交流できる癒しの場」というコンセプトで2016年に誕生しました。


和モダンな外観の建物は1階が観光案内所、2階が「桃の湯」、3階が露天風呂付きの「月美の湯」が広がり、「浅くてぬるめの湯」と「深くて熱い湯」など、好みやこだわりに合わせていろんなお湯を楽しめるのが魅力です。
浴槽に黒部川の石を使用した黒部・宇奈月の大自然を感じる空間で、湯は源泉かけ流し。「美肌の湯」を誇るように、お肌はつるつる、すべすべに。ぬるめの湯に時間をかけて入ったので体の芯からしっかり温まることができました。


地元の方も訪れるため、近所のおばあちゃんと世間話をしたり、地域のおすすめ情報が聞けたりと気持ちまで何だかホコホコに。時間がない方はぜひ足湯へ。自慢の「美肌の湯」をより気軽に体験できますよ。

・湯めどころ宇奈月
〒938-0282 富山県黒部市宇奈月温泉256-11
https://yumedokoro-unazuki.jp/
■ 山代温泉「古総湯(こそうゆ)」(石川県加賀市)
石川を代表する温泉郷、山代温泉。同温泉には総湯と古総湯の2つがあり、今回は「湯の曲輪(ゆのがわ)」と呼ばれる歴史的街並みにある「古総湯」を体験してきました。

江戸時代、温泉場は共同浴場を中心に、周りに温泉宿が立ち並んでいました。この共同浴場を「総湯」、周囲の街並みを「湯の曲輪(ゆのがわ)」といい、北陸特有の呼び方となっています。
明治時代の総湯を復元したのが、ここ古総湯。こけら葺きの屋根の外観をはじめ、当時の最先端だったステンドグラスや九谷焼のタイル、抜き漆の壁など、往年の建築の雰囲気をリバイバル。
よく見ると洗い場にはカランやシャワーなどの設備がありません。これは「湯あみ」といって、温泉に浸かるだけの当時の楽しみ方を復元しているそう。湯に浸かりぼーっとしていると、100年以上前にタイムスリップしたような不思議な感覚に。

湯は源泉かけ流し。
泉質は傷や保湿、保温に良いとされる低張性・弱アルカリ性・高温泉が、肌をしっとり保湿。2階には湯上がりに涼めるスペースがあり、見晴らしも最高。窓のステンドグラスの光も美しく、気持ちまで潤うことができました。


・山代温泉「古総湯(こそうゆ)」
〒922-0256 石川県加賀市山代温泉18の128番地
https://yamashiro-spa.or.jp/spa/
■ あわら温泉「セントピアあわら」(福井県あわら市)
福井の温泉どころ、あわら温泉。同温泉は明治期の農地のかんがい工事で偶然にも発見されたもの。74本もの源泉があり、共同管理は今も行われておらず、旅館や施設で所有しています。
今回、訪ねたのは「セントピアあわら」。
あわら温泉の開湯110年を記念して建てられた公共の温泉施設です。
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「温泉とは、天と地の交響楽である」。このコンセプトから、温泉を「天の湯」「地の湯」とネーミング。3階にある「天の湯」は名の通り、空に開かれた開放的な浴場。大浴槽は高温浴槽とジェットバス、サウナがあり、低温浴槽と半身浴ができる露天風呂も楽しめます。


1階の「地の湯」は、天井からのやわらかな光と湯気に包まれ、昔の湯治場を思わせる雰囲気。泉質は美肌にいいとされるナトリウム・カルシウム塩化物泉。湯上がりにはお肌もしっかり潤っていました。
温まった後は2階の食事処「あわら茶屋ふらり」へ。ソースかつ丼、越前そばなどの福井名物や地元食材を活かしたお品書きがズラリ。中でもあわら産トマトを使ったソフトクリームは、さわやかな甘みが湯上がりにぴったり。
お腹を満たしたら、「湯のまち広場」内にある足湯施設「芦湯」へ足を伸ばして。
総ひのき造りの施設は大正ロマン溢れるステンドグラスが特徴で、夜はライトアップされてノスタルジーな雰囲気。小旅行の終わりを締めくくってくれました。
・あわら温泉「セントピアあわら」
〒910-4104 福井県あわら市温泉4丁目305
https://awara-saintpia.jp/
ふらりと立ち寄れて、たっぷりと満たされる。そんな北陸の日帰り湯をぜひあなたも訪ねてみてください。
松岡佐和子
石川県金沢在住 富山県出身。大学時代を大阪で過ごし、Uターンして広告のコピーライターに。ことばで北陸3県の魅力を伝える仕事をしています。国内外問わず、旅が好き。小学生の息子と各地をめぐることを目標に日々コピーを書いています。