レトロタイムカプセル – 「金沢中央味食街」を発見しよう!
レトロタイムカプセル – 「金沢中央味食街」を発見しよう!
今回僕が訪れた金沢市の繁華街、片町エリアの裏通りにひっそりと位置する「金沢中央味食街」は、まるで昔のまま時が止まっているかのよう雰囲気です。
1950年にできたこのレトロなエリアは、飲食店が軒を連ねる2つの通りがあり、1つは少しモダンな感じ、もう1つの通りは戦後の日本を思わせるようなノスタルジックな雰囲気が満載です。
細い路地は6〜8席ほどの飲食店が立ち並び、どのお店もL字席のレイアウトになっています。背の低い入口は独特な魅力があり、150センチ以上の人は屈んで入店することが必須なので注意を!
店の看板とライトパネルによってほんわり照らされたこの通りは、なんだか1950年代の面影を感じます。

■「すみれ」での夜
僕の金沢レトロ商店街の旅は串焼きの店「すみれ」からスタート!
店の中に入ると、さっそくじりじりと焼ける焼き鳥のたまらなくいい香りが空間いっぱいに広がりました。
店内は明らかに年季が入っているのですが、昭和初期のヴィンテージ感ある冷蔵庫が片隅でビールを冷やしていて、なかなかいい味を出しています。焼き鳥には欠かせない定番の組み合わせ、ハイボールとビールを注文!
串はどれも完璧な焼き加減で、甘辛いタレと香ばしさが最高! 何本でも食べたくなってしまいます。

■「和憩」で堪能 地元の味
薄暗い路地を歩くと、6席のこじんまりした居酒屋「和憩」に辿り着きました。
ここでは地元食材を使った”ママさん”の手料理を味わうことができます。
石川県の食の豊かさを感じられるメニューが並びます。
僕はわさび豆腐、いかの塩辛、焼きフグを注文しました。どれもユニークな風味で溢れていました。
この食体験を引き立ててくれたのは、石川県能登の地酒2種。
櫻田酒造の純米酒大慶と宗玄酒造の宗玄純米です。
2種類ともしっかりとしたコクがあり、ほのかに大地の香りを感じます。
もちろん料理との相性も抜群!
櫻田酒造の純米酒大慶には特別なストーリーがあると聞きました。
2024年1月1日に発生した能登半島地震で崩壊した精米所から救い出された米を使用して造られた酒だそうです。

金沢中央味食街での夜は食べればそこに物語があり、一口酒をすすればその土地の歴史に繋がる、そんな時間を超えた旅のようだと、僕は感じます。


Liam Larnach
石川県金沢市在住
オーストラリア NSW州 ニューカッスル出身。
北海道のニセコから妻の地元である金沢に2024年8月に移住。
ニセコではマーケティング、ウェブサイトや外国人向け情報誌への執筆、ニュースレターやブログの制作やフォトグラファーとして働いていた。 金沢でもフォトグラファーとして活動開始。

