かぶら寿しの季節がやってきました!
北陸物語案内人の若井です。
今年は「ひみ寒ぶり宣言」もすでに出され、能登も氷見も寒ブリの水揚げは順調のようですね。
寒ブリのおいしい食べ方としてはお刺身。なかでも「砂ずり」と呼ばれるブリの大トロの部分はたまりません。
ほかにも、ブリしゃぶ、ぶり大根、個人的にはカマの塩焼きも捨てがたいかな。
そんな中で、北陸ならではのブリの食べ方としておすすめが「かぶら寿し」。
石川県と、富山県西部で盛んに食べられている発酵食で、大カブに塩漬けしたブリを挟み、麹でつけたものです。「寿し」と言っても、感覚的には漬物に近いものです。
麹や糠に魚を漬けるのは北陸では普通ですが、その食文化のない地方の方にとっては、かぶら寿しを食べるのはちょっと勇気がいります。
食わず嫌いな人も多いと聞きますし、関東地方出身の私も、実は最初はそうでした。
でも、勇気を出してぜひ食べてみてください。淡雪のような糀の甘さと、歯応えのあるカブの食感、そして濃厚なブリの風味と、その勇気は決して無駄にならないと思いますよ。
知らずに回りに着いた麹を洗い落としてしまう人がたまにいますが、水で洗うと全体の風味が台無しになってしまいます。また、日を空けて少しずつ食べていると発酵が進んですぐに風味が落ちます。
「かぶら寿しを食べたけど、おいしくなかった」という中には、このように誤った食べ方をしている方が意外と多いかもしれません。
挟む魚はブリが一般的ですが、サバや鮭などを挟むところもあり、ブリとは違ったおいしさがあります。
かぶら寿しの旬は冬。冬の北陸にいらしたら、ぜひ!
2024.12.04