おでんが恋しい季節になりました
北陸物語案内人の若井です。
朝晩が冷え込むようになってくると、食べたくなるのがおでん。
北陸三県それぞれでおでんは親しまれていますが、なかでも有名なのが、「金沢おでん」ではないでしょうか。
人口あたりのおでん店舗数がとにかく多いのが金沢で、いわば「おでんの聖地」として全国的に有名になりました。
とある老舗のおでん屋さんに伺うと、金沢でおでんの店がこれだけ増えたのはおそらく戦後のことと言い、自然に増えたため、金沢おでんの明確な定義はないと言う。出汁は関東風、関西風、どっちともいえないところもあって、さまざま。ただ、老舗のおでん店では、地元金沢の大野醤油にこだわっているところも多いとか。
強いて言うなら、おでんダネの種類の多さや、バイ貝、赤巻、車麩、ふかし、海老しんじょう、具沢山のがんも(ひろうず)など、他の地域ではあまり見かけない珍しいものが多いことと言います。
また、季節のおでんダネとして、源助大根や金時草、金沢春菊、加賀れんこんなどの加賀野菜を使ったものが登場するお店もあります。そしてこの時期の人気はメスのズワイガニを丸ごと使った「カニ面」ではないでしょうか。多くのお店ではメスのズワイガニの漁ができる年末までの提供で、1個1個手作業で作るため、非常に手間がかかり、お店によっては提供していないところもありますので、カニ面が食べたいと言う方は、事前に調べておくといいでしょう。
夕方になると、人気のおでん店の前には、長い行列ができるのが日常風景になりつつあります。並んで食べるのもよし、あるいは、路地裏の赤提灯に誘われ、ふらっと入ってみるのもいいかもしれません。
(写真提供:石川県観光連盟)
2024.11.28