北陸物語facebook ~のどかな田園風景の中で触れる「石の文化」~

北陸物語案内人の若井です。

石川県小松市は、弥生時代の碧玉の玉つくりを始め、金や銅の鉱石、凝灰岩の石材、九谷焼の陶石など、2,300年にわたって受け継がれてきた「石の文化」が息づいています。そのことが日本遺産にも認定されて、小松は石の町としても知られるようになりました。

西山石切り場跡

良質な緑色凝灰岩を今も産出しているのが小松市滝ヶ原町。この石は、小松城や金沢城の石垣の一部にも使われ、福井地震で倒壊した丸岡城(国の重要文化財)を修復した時の石瓦にも使用しています。
滝ヶ原町を訪ねると一際目を引くのが、のどかな田園風景の中、丘の中腹に穿たれた巨大な穴。「西山石切り場跡」と言って、江戸時代から昭和の中頃まで使用された採石場の跡(写真1枚目)。崩落の危険があるため、近づくことはできませんが、石を掘り進めた跡は離れたところからもよく見えます。

我山橋

また、滝ヶ原町の石にまつわる見どころで忘れてはいけないのが、「滝ヶ原アーチ型石橋群」。明治後期から昭和初期に建造されたアーチ型石橋が、町内に5つ現存しています。日本のアーチ型石橋は9割以上が九州に集中しているそうで、このような石橋群は本州では大変珍しいもの。
我山(がやま)橋(写真2枚目)など4つの石橋と西山石切り場跡は隣接していて、少し離れた東口橋(写真3枚目)も含め、1時間ほどで歩いて回ることができます。

東口橋

マニアックですが、なかなか楽しい、小松の穴場。涼しくなったら、歩いてみてください。

MENU