北陸物語facebook ~淡雪をまとったような「かぶら寿し」はいかが~
北陸物語案内人の若井です。
ごはんに魚を漬ける「なれずし」のうち、米麹を使うものを「いずし」と呼びます。
そもそも、「ごはんに魚を漬ける」と聞いてもピンとこないかもしれませんが、現在のお寿司のルーツとも言われています。
いずしは北海道から鳥取県の日本海側で作られ、体によいといわれる乳酸菌を大量に含んでいます。若狭の鯖のナレズシもいずしのひとつです。
そんないずしの中で、これからの季節にがぜん注目を集めるのが「かぶら寿し」。石川県と富山県の郷土料理で、一般的には冬にしか作ることができず、これをお歳暮に贈る人も多く、おせち料理にも登場します。
カブ(かぶら)に魚の身をはさみ、米麹で漬け込み発酵させます。はさむ魚はブリがポピュラーですが、サバやサケをはさむ地域もあります。また、使うカブの種類もいろいろああり、食べくらべも楽しめます。
江戸時代、金沢ではすでにかぶら寿しを食べていたという記録が残り、一説では武士しか食べられなかった高価なブリを町民がカブで挟んで隠して食べたことが起源とも。
実はその見た目から食べず嫌いな人も多いといわれますが、カブのサクッとした食感と、脂がのった魚のうまみ、そして麹の甘さと酸味が絶妙にマッチしてとっても美味。まずはぜひ一口挑戦してみてください!
(写真はちょっと珍しい鯖のかぶら寿し)