北陸物語facebook ~北陸の鉄道図鑑 のと鉄道~
北陸物語案内人の若井です。
皆さんにぜひ乗って欲しい、北陸の鉄道を順番に紹介していくシリーズの第3回はのと鉄道です。
のと鉄道は1988年に旧国鉄能登線(穴水駅〜蛸島駅)存続ために設立された第三セクターの会社です。1991年には和倉温泉駅〜輪島駅の営業もJR西日本から引き受け、最盛期には100kmを超える営業路線がありました。しかし、2001年には穴水駅〜輪島駅間が、2005年には穴水駅〜蛸島駅間が廃止になりました。
現在営業中の七尾駅〜穴水駅間の所有者はJR西日本で、のと鉄道はその線路を借りて列車を運行する、自社で路線を持たない鉄道会社です。車窓の美しさには定評があり、運が良ければ野生のイルカや白鳥の群れ、海の向こうには立山連峰を望めます。
厳しい経営が続いている中、さまざまなアイデアで話題を提供しているのと鉄道。穴水駅の構内(跨線橋)には冬の間、牡蠣小屋を開設したり、イベントなどで列車の運転体験をさせたり、トンネル内をイルミネーションで飾ったり、桃の節句に合わせて列車内にひな壇飾りを設置したりなどなど。生きた鈴虫を乗せて、乗客に鈴虫の声を聞かせたこともありました。アニメの舞台となったことでアニメのラッピング列車を走らせるなど、ひたむきな営業スタイルから、多くの人たちに愛されています。
そんなのと鉄道で1番の話題となったのが、観光列車「のとの里山里海号」の運転開始ではないでしょうか。北陸新幹線金沢開業に合わせて七尾駅〜穴水駅間で運転され、能登の里海や里山風景を心ゆくまで楽しめる約1時間の鉄道旅を提供。能登上布や輪島塗、田鶴浜建具など、能登の工芸が随所に散りばめられた車内も見ものです。飲食付きプランを利用すれば、美しい車窓風景を楽しみながら、極上のスイーツや寿司御膳を味わえるのもいいですね。
【のと鉄道】路線距離:33.1km 駅数:8 軌間:1067mm 電化:七尾駅〜和倉温泉駅のみ1500V