北陸物語

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なれずし

北陸物語案内人の若井です。

北陸地方は「発酵王国」と言わるほど、発酵食文化が根づいているところ。
特徴的なのが、魚を使ったものが多いこと。
冷凍技術などなかったはるか昔に、たくさん獲れる鮮魚の保存技術として編み出された技術が発酵。平城京跡地から出土した木簡には若狭国から鯛の鮨(ナレズシ)を天皇に献上したことが書かれてあり、福井県若狭地方の発酵食の歴史は奈良時代まで遡れます。

そんなこの地方で今も盛んに作られている魚の発酵食品と言えば、「へしこ」と「なれずし」でしょう。

なれずしと聞くと、「鮒ずし」など臭いの強いものを想像してしまいますが、淡雪のようなご飯と麹をまとった鯖のなれずしは、チーズやヨーグルトのような風味で、ほのかな酸味と甘みがあり、やや硬めの身はかむほどに鯖の風味が口に広がり、上品な〆鯖を思わせる味わいです。
実は、この「なれずし」は「へしこ」から作られているということは意外と知られていません。鯖を半年から一年、しっかりとぬかに漬けてできた「へしこ」を塩出しして、さらにご飯と麹で10~20日ほど漬け込んでようやく「なれずし」となります。

さまざまな発酵食がある北陸でも、このように「ぬかに漬ける」と「麹や米に漬ける」の2つの工程を経る発酵食品は珍しく、さらにおいしくして食べたいとする先人たちの思いが作り上げた逸品と言えます。

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