北陸物語

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雪形が多彩な「僧ヶ岳」では、兎、猫、馬、猪など/富山

北陸物語案内人の若井です。

北陸に春の到来を告げるもののひとつに「雪形」があります。
山肌の雪が徐々に消えつつある時期、馬や兎、人などに見えるシルエットが浮かび上がる山があります。富山と長野の県境にそびえ、「代掻き馬」の雪形が現れることからその名が付いた白馬岳は有名ですが、全国各地にある「駒ヶ岳」には馬形が現れることからその名が付いたところも多いそうです。

富山県の五箇山にある人形山は、登山家の岩崎元郎さんが『新・日本百名山』に挙げる人気の山ですが、この山にも母想いの姉妹が手をつないでいる雪形が現れます。
同じく富山県の僧ヶ岳は、その名の由来である僧以外に、兎、猫、馬、猪などと多彩な雪形を見ることができます。写真の山が僧ヶ岳です。

また、北陸三県と岐阜県にまたがる白山にも、「猿たばこ」をはじめ、いくつかの雪形が現れるそうです。「猿たばこ」と聞くと「くわえたばこのちょっと強面の猿のシルエット」かと思ってしまいましたが、たばこの葉と並んで横向きに座る猿の姿だそうです。
しかし、このような雪形の存在すら、里の人々には徐々に忘れ去られつつあると聞きます。

雪形には山の地肌を背景に白く浮き上がるものと、逆に雪の白を背景に地肌の黒が形となるタイプがあります。
以前は、田植えや種まきなどの農作業をはじめる目安や、豊凶を占うものとして古くより、この雪形が里の人々に伝承されてきましたが、今ではその役割は薄れてしまい、観光の目玉となるものをのぞくと、白山の例のように徐々に風化しつつあるようです。

雪形の現れる条件は雪の量や春の暖かさが敏感に反映されるため、地球の寒暖を知る上での指標として意味がありますし、ロマンもあります。

ぜひ、そんな雪形を文化遺産として伝承していって欲しいと思います。

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