北陸物語facebook ~薬都・富山の歴史をひもとくと~

北陸物語案内人の若井です。

富山で古くから盛んな産業といえば、薬。

富山藩2代藩主の前田正甫が、江戸城に参勤した時、腹痛に苦しんでいた三春藩主の秋田輝季に「反魂丹(はんごんたん)」を服用させたところ、すぐに腹痛は治まり、その評判が広がり、富山の薬は不動の地位を築いたというエピソードはご存知の方も多いのではないでしょうか?

富山の薬というと、全国津々浦々を薬の行商をして回った「売薬さん」の存在が大きいです。先に薬を置いていき、後で使った分だけ代金をもらう「先用後利」というビジネスモデルを構築したのが売薬さんです。

売薬さんが家々を回るときに手土産として持参したのが多色刷りの浮世絵風の版画や紙風船で、日本の販促グッズのルーツともいわれているそうです。

富山市では現在、ガラス工芸が盛んですが、もともとは薬のガラス瓶を作る技術が優れていたことがあり、また薬のパッケージなどの印刷を手がけてきたことで印刷業も盛んです。

歴史をひもとくと、薬の抜きに、今の富山を語ることができないということがわかります。

(写真は「反魂丹」を製造販売する池田屋安兵衛商店)

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