北陸物語facebook ~こんな時代だから「不易流行」を感じる旅を~

北陸物語案内人の若井です。

国指定の名勝に「おくのほそ道の風景地」というのがあります。
国指定名勝といえば、たとえば成巽閣庭園とか白米の千枚田とか、1つの場所を指定することが多いのですが、これは12県、26カ所にも及ぶ珍しいものです。

松尾芭蕉の『おくのほそ道』と聞くと、東北のイメージが強いかもしれませんが、富山、石川、福井からも5カ所が選定されています。
富山県は高岡市の有磯海、石川県は小松市の那谷寺境内(奇石)と加賀市・鶴仙渓の道明が淵、福井県は南越前町の湯尾峠と敦賀市のけいの明神(氣比神宮境内)の5カ所です。
これらは芭蕉が江戸時代に見た優れた風景が今も残り、多くの人々の風景感に影響を与え続けていることが評価されてのこと。ただ単に昔と変わらない風景を尊んでいるだけではありません。

ところで芭蕉といえば、俳諧の理念に「不易流行」というのがあります。伝統を踏まえつつ、新しいものを取り入れることが大切だということですが、名勝に選定されたそれぞれを訪ね歩けば「不易流行」の本質がわかるかもしれないですね。

(写真は、有磯海《雨晴海岸》と、道明が淵近くの鶴仙渓川床)

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