北陸物語facebook ~北陸の温泉⑥ 和倉温泉~

北陸物語案内人の若井です。

朝晩が寒く感じられるようになってきた今日このごろ、ますます恋しくなるのが温泉。
北陸の温泉を紹介するシリーズ。今回は石川県七尾市の和倉温泉です。

和倉温泉といえば、七尾湾沿いに高級旅館が建ち並ぶ、北陸屈指の温泉地。旬刊旅行新聞の「プロが選ぶ日本のホテル・旅館100選」で、長年総合1位をとっている加賀屋があるのも和倉温泉です。
七尾港には魚種が豊富な富山湾や能登の里海・七尾湾で獲れたばかりの魚介が水揚げされ、これからの時期なら寒ぶりはもちろん、鱈やなまこ、真牡蠣などが旬を迎えます。もちろん、能登半島など石川県内で水揚げされた加能ガニも。もっともおいしい魚介類がそろうこの時期、料理自慢の宿が多い和倉温泉は人気ですね。

ちなみに、和倉温泉ってもともとは海中から温泉が湧いていたというのはご存知でしょうか? 沖合でシラサギが足の傷を癒やしているのを見て、不思議に思った漁師が近づいたところ、その辺りから温泉が湧き出ていることがわかったのだとか。開湯からは1200年、このように発見されてからもまもなく1000年となる、長い歴史がある温泉です。

湯治場として本格的に利用されるようになったのは、江戸時代に入ってから。加賀藩三代藩主・前田利常は周囲を埋め立てて湯島を造りました。当時は湯の湧き出る浦から「湧浦」という地名が付けられていました(1647年に加賀藩の命によって和倉に改めました)。
かつてはお湯をくんで小舟で運んでいたそうですが、その後埋め立てが進み、島には橋がかけられ、今は陸続きとなりました。
加賀屋の向かいには弁天崎源泉公園があり、手湯や温泉熱を利用した温かいベンチもあります。

妻恋舟の湯

また、温泉街には七尾湾や能登島を眺めながらゆっくりできる足湯「妻恋舟の湯」もあります。隣には、和倉温泉のマスコットキャラクターわくたまくんがいっぱいいる「わくたまくんパーク」もあります。

泉質はナトリウム・カルシウム─塩化物泉で、海の温泉ならではの豊富な塩分が特徴。殺菌効果が高く、保温効果も抜群。塩分が毛穴を引き締めて肌をなめらかにする美肌効果もあるそうです。

総湯

個人的には、塩分濃度が高く、しかも高温の温泉でつくる温泉玉子がおすすめ。弁天崎源泉公園と湯元の広場、総湯の3カ所では、手軽に温泉玉子が作れます。卵は持ち込みなので、近所のスーパーなどで購入したものを持っていけばOKです。大体15分くらいつけておけばとろとろの温泉玉子ができますが、冷蔵で冷えた卵だとうまくできない場合もあるので、常温に戻してから入れたほうがいいかも。温泉の塩分がほんのりと玉子に移り、塩をかけずにそのままでもおいしい温泉玉子ができあがります。
ぜひお試しを!

写真提供/石川県観光連盟

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