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伝えたい! 豊かな自然とともに生きる美しい暮らし

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世界文化遺産相倉合掌集落で田植え体験!「みんなで農作業の日」in五箇山

伝えたい!豊かな自然とともに生きる美しい暮らし

人には本来、自然とバランスよく付きあう(自然と共生できる)能力が備わっています。ところが、自然との距離 が離れてしまった都会暮らしではその感覚も薄れつつありませんか? そんな時は、心の奥底に眠る本能を 呼び覚ましに、人と自然の距離が近い北陸の里山里海にお出かけください。

ホタルイカ漁に秘められた自然と共生する巧み


新月の夜、ホタルイカが海岸に打ち寄せられる「ホタルイカの身投げ」。地元の人々は網を手にこれを拾いに行く

ホタルイカといえば、富山湾に春の到来を告げる風物詩として有名です。

富山湾のホタルイカは、イカが傷つきにくく、捕り過ぎない「定置網」で捕られています。そして、場所によっては「垣網」など定置網の一部分に、今も昔ながらのわら縄を使っています。化学繊維の網と違い、毎年買い換えないといけないわら縄をあえて使うのは、網が軽いことと、実際に比較したらわら縄の方がたくさん捕れたからだそうです。

ただ、わら縄を使う理由はそれだけではありません。漁期が終わるとわら縄の部分はそのまま海に沈められ、それが魚の棲家となる漁礁ぎょしょうの役割を果たします。つまり、富山湾では捕るだけでなく、資源の保護や育てることも視野に入れて昔から漁をしているのです。


早朝にホタルイカの定置網漁を見学する観光船は大人気(左)。
ホタルイカ漁のシーズンを間近に控えて急ピッチで作業が進むわら縄作り(射水市・折橋商店)(右)。

底引き網漁で捕る方が効率がよいにもかかわらず、それでも富山湾の漁師たちは、質の良いイカが捕れて、生態系も守れるこの定置網漁にこだわり続けます。

水田に散りばめられた暮らしの小宇宙

チューリップの産地で知られる砺波平野を見わたす展望台に上がると、一面に広がる田園の中にポツンポツンと緑の小さな島が無数に点在している風景が見てとれます。このひとつひとつが「アズマダチ」という様式の民家を取り囲む屋敷林(富山ではカイニョと呼びます)で、室町時代にはすでに「散居村さんきょそん 」と呼ばれるこの農村スタイルができあがっていたそうです。

屋敷林は防風、防雪林となり、伐った木は建材として使われます。屋敷内には昔から生活排水が直接田んぼに流れないように工夫した浄化槽のような仕組みもありました。西日が当たる窓辺には落葉樹を植え、夏は涼しく、葉が落ちて日が当たる冬は暖かくなる…、自然の摂理もうまく利用した屋敷林は、先人たちの知恵が詰まった、まさしく究極のエコ住宅といえるのです。


南砺市井波地区にある「あずまだち高瀬」は散居村の暮らしを伝える交流施設。砺波平野にはこのようなカイニョの暮らしを伝える施設がいくつかある。


水田に水が張られたころ、散居村展望台から眺める夕日はことのほか美しい。

世界が認めた農がある暮らし


春蘭の里での田んぼ作業。苗を植える位置を決めるため、"田植え格子"で跡をつけていく

能登半島の里山里海は、自然と人が共生する農業や漁業のスタイルが国際的に高く評価され、次世代に語り継ぐべきものとして2011年に「GIAHS(世界農業遺産)」に登録されました。

また、英BBC放送の「ワールドチャレンジ2011」では、農業体験を観光資源として過疎化の抑制に取り組む石川県能登町の農家民宿群「春蘭しゅんらんの里」が最終候補に残るという快挙もありました。古きよきものを守るだけではなく、時代のニーズにあわせて進化させ、新たな魅力を創りだす、そんな能登の暮らしには、都会人はもちろん、世界中の人々が共鳴しあえる魅力があるのです。


実際には、千枚以上の田んぼがある輪島市の白米千枚田(しろよねせんまいだ)では、人手がかかるため、ボランティアや棚田オーナーを募り、成果を上げている


奥能登では約500年前とほとんど同じ方法で、ミネラル豊富な天然塩が作られている
農家民宿群「春蘭の里」では農作業のほか、薪で風呂を沸かしたり、かまどでご飯を炊いたりするユニークな体験が人気だ

保護するだけではなく活用することで生きる自然環境

石川県加賀市にある鴨池には、冬になると多種多様なガンカモ類が越冬のために渡ってきます。マガンやヒシクイなど全国的に数の少ない種類から、トモエガモのように近年その数が激減し、世界的に絶滅が危惧されているものも含まれるため、水鳥の生息地として国際的に重要な湿地に関する国際条約「ラムサール条約」にも登録されています。また、自然保護と環境教育、調査研究を同時に進めるために設置された「加賀市鴨池観察館」には日本野鳥の会のレンジャーが常駐し、観察ガイドなども行っています。


夕暮れ時、ねぐらに帰ってくる鴨を狙う坂網猟
[写真提供/(公財)日本野鳥の会]


猟師やボランティアにより猟場の整備が行われている。写真は日本野鳥の会が主催するエコツアー「グリーンホリデーin加賀」での一コマ[写真提供/(公財)日本野鳥の会](上)坂網猟で捕れたカモは加賀市内にある2軒の料理屋で食べることができる。同じ野生のカモでも全身に血が回らず銃で仕留めたものよりおいしいという(下)

ここでは逆三角形の網を空中に投げ、カモを捕獲する「坂網猟さかあみりょう」という伝統猟法が続けられています。この猟はかすみ網のように一網打尽にすることもなく、鴨池そのものの湿地環境や周辺の猟場を整備することでカモが棲みやすい環境づくりに貢献しています。後継者不足などにより継承が危ぶまれる「坂網猟」ですが、最近では日本野鳥の会が先導して、湿地整備のボランティア活動を積極的に行っています。猟と野鳥保護という相反する関係がバランスよく保たれている点でも、鴨池は注目されています。

人の暮らしと密接にかかわる三方五湖の自然を見つめる


湖面の色がそれぞれ微妙に違っている三方五湖

三方五湖。その名のとおり5つの連なる湖は、淡水・海水・汽水きすいとそれぞれに違った水質を持ち、また同じ汽水湖でもそれぞれ塩分濃度が異なるため、梅丈岳ばいじょうだけ(三方五湖レインボーライン展望台)から見える5つの湖面の色は少しずつ違って見えます。また、湖ごとの生態系も違い、多様で豊かな自然環境が残り、人々はその自然を守りながら活用してきました。


カヤックでのんびりと湖上散歩。


冬の間、寒さで動きが鈍くなった鯉や鮒を網に追い込む伝統漁法「たたき漁」。

三方五湖は、国指定の名勝で若狭湾国定公園に属し、さらにラムサール条約にも登録されています。このことは国内でも珍しい景観であり、貴重な自然が保たれていることを如実に表しています。

湖上遊覧船やカヤックで水上散歩を楽しんだり、海ではスノーケリングやグラスボートで海中見物、漁業体験もできるなど、水に関係するアクティビティがここには揃っています。平成22年には若狭三方五湖観光協会が、環境省の「エコツーリズム大賞 特別賞」を受賞しました。三方五湖ならではのエコツアーを楽しみ、伸びやかな若狭の水辺を楽しんでみてはいかがでしょうか。

コウノトリを呼び戻す農法米で、環境にやさしい米づくりを伝える


白山・坂口地区は、絶滅危惧種のアベサンショウウオをはじめ、希少野生生物が生息する自然の宝庫であり、平成16年には環境省から、全国4カ所の「里地里山保全再生モデル事業」の実施地域に指定され、再びコウノトリが舞い降りる里をめざして、里地里山の保全再生に向けた取り組みを進めている

福井県といえば、コシヒカリ発祥の地。北陸はいわずと知れた米どころです。
 福井県越前市白山・坂口地区は「にほんの里100選」にも選ばれたのどかな山間の田園風景が続きます。ここにはかつて、コウノトリが飛び交っていました。そして平成23年12月、そんな風景を取り戻すため、兵庫県立コウノトリの郷公園から1組のコウノトリのつがいが移送されてきました。生まれたヒナをここで放鳥し、定着させようとする試みです。そのために、この地区ではコウノトリの餌となる小魚、ドジョウ、カエルなどが生きていける、生きものに優しい米作りに取り組んでいます。

もちろん、コウノトリを呼び戻したいだけでなく、無化学肥料、無・減農薬栽培のほか、微生物の成長にあわせた水管理など、豊かな生態系を維持した農業を行うことで、環境にも人にも優しく、しかもおいしい米を作り、稲作を未来につなげていこうとする思いが込められています。

"コウノトリを呼び戻す農法米"のように生きものの名前を付け、生物多様性保全に配慮して作られる米は「生きものマーク米」と呼ばれ、全国各地で同様の取り組みがなされています。


越前市都辺町のしらやまいこい館では、コウノトリと地域のゆかりや生態を紹介するPRコーナーをオープン。ケージ内の監視カメラがとらえた兵庫県からやってきたつがいの映像を、モニター画面で見ることができる

越前市上杉本町にある「水辺と生き物を守る農家と市民の会」の「コウノトリ呼び戻す田んぼ」で稲刈り、はさ干し。農薬・化学肥料を使わない環境・安全に配慮した手法で栽培されている

かつて自然保護といえば、「人の手を入れない」ことが重要視されていました。しかし、昨今は人が手を入れ、 それでバランスが保たれていた里山などの自然が、「人の手が入らなくなった」ことで崩壊しつつあり、問題と なっています。コウノトリをはじめ、鳥や獣、昆虫や両生類など、さまざまな生きものが育まれる田んぼや里山 のある風景。そんな古きよき日本の田園風景を再生するために頑張っている地域を訪ねて、自然と共生する 心の原風景を探してみてください。


日本の棚田百選のひとつ、日引の棚田(福井県高浜町)


モデルコース例

  [A]日本を代表する貴重な湿地をめぐる
2泊3日コース
[B]農村体験・定置網漁見学
2泊3日コース
1日目 立山(室堂平・弥陀ヶ原)散策
遊歩道散策・バードウォッチ ナチュラリスト(自然解説員)と学ぶ立山の自然 
越前市エコビレッジ交流センター
コウノトリが舞い降りる田んぼ作り
2日目 グリーンホリデーin加賀
ガンやカモがやってくる〝湿地を守ろう〝

ラムサール条約登録湿地の鴨池で保全活動
春蘭の里
田んぼ作業や、山菜とり、薪割り、釜でのご飯炊き、五右衛門風呂焚き
3日目 「 海王国"若狭"満喫」
(若狭三方五湖観光協会コース)

ラムサール条約登録三方五湖で水と親しむエコツアー
ホタルイカ漁の海上見学
ホタルイカ定置網漁の見学

※各プログラムからお好きなものをお選びください


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