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北陸の食 北陸の知られざる食を心ゆくまで味わいたい


〔左〕福井のこしひかりにのった「さばのへしこ」 〔右上〕石川の「ふぐの子の糠漬け」 〔右下〕富山の「黒作り」

第一部 発酵食-これを食わずして北陸の食を語るなかれ!

多彩な魚介類をはじめ、独特な野菜や加工品など、北陸には美食があふれています。そんな地には、全国的にも珍しく、通好みの食があります。それは「発酵食」。北陸は発酵食王国との異名を持つほど、発酵食が豊富で、特に魚介類を使ったものの多さは他に類を見ません。酒の肴にもご飯のおかずにもぴったりの、北陸ならではの発酵食の数々をご紹介します。

魚を発酵させる驚きの食


石川・富山の冬の定番、かぶらずし

北陸は三県とも海に面し、新鮮な魚介がすぐ入手できます。冷蔵・冷凍技術、流通が発展した今なら、その“キトキト”(富山弁で新鮮の意)の魚介がいつでもいただけますが、そのような技術がない昔は、保存方法を工夫する必要がありました。

そうして発展したのが、「発酵」を活用する保存法でした。

発酵は食文化に大きく関わってきました。日本人になじみ深い醤油や味噌はもちろん、チーズやさまざまな酒類も、この現象なくしては生まれません。全国的に、野菜を発酵させる「漬物」は一般的ですが、北陸の特徴といえるのが魚介の発酵食です。そしてこれこそが、素材のうまさ、作り手の熟練の技術、長年培われた人々の知恵が凝縮された、「究極の北陸の美味」といえるのです。

発酵に最適な北陸の気候風土


奥能登の塩田では、昔ながらの製法で塩がつくられる

なぜ北陸で、魚介を使った発酵食が発達したのか、それには理由があります。恵まれた環境、豊富な素材、そして人の気質です。北陸は冬寒く、雪が降り積もることが珍しくありません。しかしこれは、一定の低温で保つという、食品の発酵にはちょうどいい環境をつくりだしています。そして素材も、昔から北陸は豊富な漁獲量を誇る場所で、大量にとれた魚をなんとかして保存する必要がありました。また米の収穫も多く、麹や糠が入手しやすい場所でもあります。さらに塩も同様で、海にほど近いうえ塩田が多く豊富に手に入りました。忍耐強い気質といわれる北陸の人々は、おそらく大変長い年月をかけて知恵を絞って、発酵する保存法を編み出したのかもしれません。


北陸三県ともに米の産地として知られ、生産品種も多彩

そうして生み出された発酵食は、高級な珍味として皇室や将軍に献上されたり、山間部の大切なタンパク源になったり、漁師にとって貴重な物々交換の材料になったり……。北陸人にとって、魚の発酵食はなくてはならない"必需品"なのです。そしてそんな貴重な品を、簡単にいただくことができるのは、ぜいたくなことといえるでしょう。

発酵食と言ってもその種類はさまざまで、発酵に使う材料は大きく分けて3 つあります。[1]麹こうじ・飯、[2]糠、[3]塩です。東西に広がる北陸三県には、共通している発酵食もあれば、各県ごとに違った特徴を持つものもあります。

甘さとコクが合わさった麹の発酵食


家庭の味として人気の高い大根ずし

麹を使った発酵食で、特に著名なのが「かぶらずし」です。石川県の郷土食として紹介されることも多いですが、実は富山県の一部でもつくられています。麹で発酵させた「なれずし」(今の寿司の原型といわれる発酵食)で、塩に漬けておいたかぶ(かぶら)を輪切りにし、切れ目を入れて塩漬けの魚の切り身を入れ、米麹でつけて1週間余り発酵させればできあがり。はさむ魚は、石川だとブリが一般的で、富山ではサケやサバも使います。冬の時期にしか仕込めず、お正月には欠かせないハレの料理でもあります。米麹をつけたままいただくため、その見た目に驚く人も少なくありません。しかし米麹のコクと酸味、かぶらのサクッとした食感、そして魚のうまみが一体となったこの発酵食は、多くの人を魅了し続けています。

その発祥は定かではありませんが、「武士しか食せなかった贅沢品のブリを隠して食べるため町人がかぶらにはさんだ」という説があります。また、大根と身欠きにしんをつけこんだ「大根ずし」もあり、こちらはより庶民派。いずれも昔は家庭でつくることがほとんどでしたが、近年は漬物店などが製造・販売しており、冬ならデパートや物産館などで簡単に入手できます。さらに料亭・居酒屋でも提供していることもあります。本場で、本物のかぶらずしを味わってみてはいかがでしょうか。


さばのなれずし。福井の小浜では糠漬けした魚を使う

北陸には、かぶらずし以外にも数多くのなれずしがあります。そしてそれらは北陸三県、見た目やつくり方が似通いながらも、それぞれに使う魚が違うなど特徴があります。富山県の射水市大門地域に伝わる「あゆずし」、石川県の能登町の旧能都町エリアの「あじのすす」があるほか、福井では冬、富山では夏につくられる「さばのなれずし」もあります。いずれも熟成した魚のうまみと麹のコクが楽しめ、入手できる時期は限られるとはいえ、わざわざ探してでも食べたい逸品です。

魚をまるごと糠漬けにした珍味


ものによっては数年かけて熟成される発酵食

続いて糠を使った発酵食をご紹介します。魚をそのまま糠漬けにした北陸の発酵食は、初見の人にとって大変インパクトがあるでしょう。しかも店によっては漬けられた樽のまま1 匹ずつ販売していることもあります。しかしその熟成を極めた味は唯一無二。かなり“くどい”(石川弁で塩味が強いというの意味)ため、ご飯のおかずにも、酒の肴にも抜群です。食べ方は多彩で、薄くそぎ切りにしてそのまま食べても、あぶっても大変おいしくいただけます。また糠は落としても、つけたままでも大丈夫。自分好みの食べ方を見つけるのも一興です。アンチョビ代わりに使われることもあるなど、料理に活用するのもおすすめ。さらに保存が利くのも、この発酵食のうれしいところで、通年入手できます。つくり方は、ほぼ共通しています。まず魚の内臓や頭をとるなど下処理してから塩漬けにし、糠に唐辛子など隠し味をまぜた糠床に半年~1年ほど漬ければ完成です。


辛党にはたまらない、さばのへしこ

名称は、北陸三県で微妙な差異があり、福井は「へしこ」、石川・富山は「こんか漬け」または「ぬか漬け」と呼びます。漬ける魚も多彩。中でも福井の若狭地方でつくられる「さばのへしこ」は代表格といえる存在感を誇っています。サバを頭がついたまま糠漬けに。大きなものは30cmを超えます。デパートや物産館、高速道路のPAなどでも販売されており糠につけられた1匹まるごと、半身にしたもの、具に使われたおにぎりなど……、実にさまざまな形で入手できます。


辛党にはたまらない、さばのへしこ

へしこと同様に、石川・富山で知られているのが「こんかいわし」です。リーズナブルで、庶民派の発酵食として親しまれています。石川県の能登地方には、こんかいわしを野菜やキノコと一緒に酒粕で煮込んだ「べが鍋」、石川県の白山麓には野菜の漬物とこんかいわしを煮た「いじいじ鍋」という冬の郷土料理が伝わるように、海が荒れて魚がとれない時期や、山間部の貴重なタンパク源として重宝されてきました。


糠がつけられたまま売られるこんかいわし

このほかにも北陸三県では、フグやニシン、カワハギ、イカなども糠漬けにします。いずれも魚の旨味と発酵のコクが調和した、北陸ならではの味といえます。

珍味も調味料もできる塩


その名の通り真っ黒な「黒作り」

そして保存食の基本といえる、塩。前述の麹も糠も、その時点では発酵させないとはいえ、まず材料を塩漬けにするところから始まります。

 塩の発酵食の代表といえば「塩辛」で、特にイカが有名。イカがとれる地域でつくられるイカの塩辛は、日本人にとって定番の味といえるでしょう。このイカを使った珍しい塩辛が、富山に伝わっています。「黒作り」です。


能登の幸が存分に味わえるいしるの貝焼き

その名の通り、真っ黒な見た目の塩辛で、イカスミが入っているためこのような色になります。つくり方は通常の塩辛とほぼ同じで、しっかりと下ごしらえしたイカの身、肝と一緒にイカスミを混ぜ、1週間ほど発酵させれば完成です。イカスミはグルタミン酸やアミノ酸などのうまみ成分を含むため、通常の塩辛に比べて深いコクがあり、通常の塩辛より好きという人も。口に含めば豊潤に熟成されたイカのうまみが広がります。その味は一度食べればやみつきに。日本海の幸と先人の知恵の絶妙なコラボレーションといえるでしょう。

そして日本三大珍味のひとつに挙げられる、なまこの腸の塩漬け「このわた」も、発酵食。石川・能登の七尾湾はなまこの一大漁獲地で、このわたの生産も盛んです。冬場にとれたなまこの腸を一本ずつ丁寧に取り出して、砂出しをしてから塩漬けし、1 週間ほど発酵させれば完成するこのわたは、潮の香りが口いっぱいに広がり辛党にはたまらない逸品です。

まだあります。魚を発酵させてつくる調味料「魚醤」です。秋田のしょっつるやタイのナムプラーが有名ですが、能登でもつくられています。「いしり」です。イカの内臓、またはイワシやサバなどの魚を塩漬けし、9カ月ほど発酵させてから絞れば完成します。材料によって呼称が変わり、イカだと「いしり」または「いしる」、魚だと「よしる」と呼ぶ傾向にあるものの、混在している場合もあります。醤油の2倍ともいわれるうまみ成分があり、料理の味に深みを与えてくれます。大きな貝殻の裏に魚介やキノコを入れ、火にかけた「いしるの貝焼き」がとりわけ有名ですが、隠し味としてカレーやチャーハンに使う人も。さらに近年はイタリアンやフレンチに活用されることもあるなど、広がりを見せています。

ふぐの猛毒が消える驚異の食


今なお昔のままの製法でつくられるふぐの子の糠漬け

北陸の発酵食の中でも、世界的に珍しいと呼べるのが「ふぐの子の糠漬け」です。そしてこれは塩、糠、いしりを使った“究極の発酵食”。本来は猛毒のふぐの卵巣が食べられるようになる、摩訶不思議な逸品です。製造過程で、微生物の働きによって徐々に毒が消えるといわれており、その理由ははっきり解明されていないものの、石川県で製造が許可されている逸品です。つくるのに大変手間がかかり、まず卵巣を濃い塩水(濃度35~40%と海水の約10倍)に約1年漬け、洗ってから樽に入れた糠に漬け直します。1年以上空気にふれないようにして漬け続け、時折いしるを縁から注ぎます。こうした過程で毒がなくなったふぐの子の糠漬けは、そぎ切りにしたり、あぶったりしていただきます。大変塩辛いのでチビチビとつまみながらお酒を飲むのがおすすめ。ご飯にも合います。真空パック状で通年販売されており、居酒屋などでも扱うことが多く、比較的容易に食すことができます。

北陸は発酵食の“天国”だ

ちなみに、富山名物としてよく知られる「ますのすし」も、実は発酵食が発端といわれています。かつてはマスと米を漬けて発酵させたなれずしだったものの、江戸時代になり発酵させない「早ずし」に変化したと考えられています(諸説あり)。ますのすしは富山で協同組合がつくられるほど手がける店が多く、しかもそれぞれ味が違うので、食べ比べるのも一興。なれずしだったときの味を想像しながらいただくのも、いいかもしれません。

また、北陸が誇る地酒の数々も、発酵で生み出されたもの。冬の寒さとほどよい湿度、豊かな水という、酒づくりに欠かせない要素は北陸三県ともそなえており、うまい酒が育める条件がそろっています。蔵によって味が違い、多彩な銘柄が楽しめるのも北陸のうれしいところです。居酒屋や料亭では多数の銘柄を取り揃えていることが多く、ぜひ飲み比べしてみたいものです。


北陸三県の腕利きの杜氏が酒を醸す


蔵元ごとに味が違うのもおもしろい


かつては発酵させていたますのすし

豊潤なうまさの発酵食を肴に、地酒に舌鼓……。こんな楽しみが、北陸なら当たり前。まさに北陸は発酵食の天国といえるかもしれません。北陸が育んだ発酵食を、ぜひ味わってみてください。


〔左〕白山は水の神様として古くから崇められている 〔右上〕黒部川の伏流水がコンコンと湧き出る前名寺の湧水(黒部市生地)
〔右下〕白山を水源とする九頭竜川・新緑の九頭竜峡

第二部 名水-水がいいからおいしい北陸の食

立山や白山をはじめ、北陸の高い山にたっぷりと積もった雪は、雪解けとともに川の水や伏流水となり、里を潤します。伏流水は微量のミネラルを含み、酒の仕込水はもちろん、水の良し悪しが要となるさまざまな食品や料理に生かされています。急流が多く扇状地が発達した北陸には名水が多く存在します。ここでは水と北陸のおいしい食との関係を探ってみましょう。

【とやま】 名水の里ならではの水が引き立たせる素朴な味


松尾芭蕉ゆかりの清水庵の清水

富山県黒部市生地いくじ。港町として古くから栄えたこの地には黒部川の伏流水が数多く湧出する湧水群をつくっています。生地地区には清水しょうずと呼ぶ湧水スポットだけで20カ所。さらに多くの家庭では他に自前の井戸を持ち、水道を引いていない家もあるそうです。

たくさんあるそれぞれの湧水で味が微妙に異なるそうで、生地まち歩きガイドの米屋清美こめやきよみさんによれば、水温を11℃くらいで一定にすれば飲み分けができる住人も多いとか。「もちろん、一番おいしいのは“自分ところの清水”と誰もが言い切ります。水の味にこれだけこだわりをもって暮らしている地区は珍しいのではないでしょうか」(米屋さん)


生地あいの会のみなさん。左から能登芳美さん、米屋清美さん、能登幸子さん

休み処 あいのすぐそばにある「生地中橋」。港に出入りする船が来ると旋回する珍しい橋

この名水を使った名物として人気なのが「水だんご」。上新粉と片栗粉を熱湯で練って蒸してき、棒状にのばし、一口大に切って冷水で冷やし、きな粉をかけて食べる素朴なおやつで、すべて生地の名水を使ってつくられています。米屋さんが所属するまちおこしグループ「生地あいの会」が運営する「休み処 あい」でも食べることができます。この地区では古くからだんごを食べる風習があり、産院では産後にお乳の出がよくなるようにと「3日だんご」と呼ぶだんごを出すそうです。

水を通じて町をにぎやかにしていきたいと、「生地あいの会」の皆さんのみずみずしい笑顔が「清水の里 生地」のファンを着実に増やしています。



水だんご(100円)。販売期間は6~9月


土曜日に開く「休み処あい」(12~3月は休み)で、細打ちめん(200円)。
「儲けは度外視」というが、それにしても安い。販売期間は6~9月


休み処 あい
TEL:090-8263-3781

【いしかわ】 白山の伏流水が食材の味を際立たせる個性豊かな御膳

白山山系の水は、日本海側は手取川てどりがわ(石川県)、九頭竜川くずりゅうがわ(福井県)、庄川しょうがわ(富山県)へ、太平洋側は長良川ながらがわ(岐阜県など)へと流れ込み、中部地方の広い範囲を潤しています。そのため白山は古くから水の神様として崇められてきました。


〔左〕伝好は「道の駅 瀬女」の斜め前にある
〔右〕とうふ膳(1,400円)は堅とうふのお刺身と焼いた油揚げをのせたおろしそば、おぼろ豆腐のお味噌汁のほか、季節の小鉢がつく

白山の麓、富山県五箇山ごかやま、岐阜県白川郷、石川県白山麓の三つの山里では、このおいしい水によって育まれた白山の恵みを使った郷土料理を「白山百膳はくさんひゃくぜん」という名称で、参加店がそれぞれの個性に磨きをかけたオリジナルの御膳を提供しています。平成24年12月現在で46店舗が参加し、92御膳に上ります。その1店、自家製豆腐料理の「伝好でんこ」を訪ねました。

この店では白山の伏流水を使った豆腐も自前でつくります。この辺りの豆腐といえば、どっしりと重たくて固い「かたとうふ」。絹ごしや木綿豆腐とは違う歯ごたえや風味が特徴です。豆腐は「水が命」といいますが、手づくり豆腐にはたくさんの水が使われ、水の良し悪しがその出来を大きく左右します。

「私はよそから嫁に来たのですが、水のおいしさにはびっくりしました。だしが良く出て、ごはんもお味噌汁も、水を使う料理はすべておいしいんですよ。堅とうふのお刺身は、ぜひはじめの一口は何もつけないで食べてみてください。おいしい水で丹精込めてつくった豆腐ならではの、ほのかな甘みと大豆の風味が口いっぱいに広がります」とは、伝好の女将、出口春恵さん。


伝好
TEL:076-256-7325

豆腐づくりはご主人の出口浩志さんが行い、丸大豆を長い時は30時間以上水に漬けて戻し、圧力をかけて蒸して絞り、天然のにがりをうって時間をかけてゆっくりと固めて出来上がります。手間ひまを惜しまない仕事と素材へのこだわりがぎっしりと詰まった御膳なのです。


「伝好」の堅とうふは堅とうふの中ではやわらかめでクリーミー


大豆を蒸して絞る


山の恵みが詰まったスイーツ「白山もんぶらん」(390円)も

出口春恵さん


伏流水を使って大豆を洗う

【ふくい】 名水との出会いがあって生まれた手打ちそばの名店

福井県では飲用可能な湧水等を「ふくいのおいしい水」として認定する制度があり、その数は平成22年8月現在で47カ所あります。そしてその多くが地域の人たちにより維持管理されています。地域の人たちの水への愛着、霊水への信仰、そしてプライドがこれらの湧水を守っているのです。

越前市の中心部(JR武生駅周辺)は日野川が盆地に流れ出る扇状地にあたり、たくさんの伏流水が湧き出しています。その代表といえる「お清水不動尊しょうずふどうそんの水」を訪ねてみました。町の中心部にあり、不動明王が祀られたお堂の脇の竜口から水がいつも流れています。近所の人たちがひっきりなしにその水を汲みに来ており、その数は一日50~60人にも上るといいます。


「ふくいのおいしい水」のひとつ、越前市(今立)花筺公園のすぐ近くにある皇子ヶ池はきれいに整備されてミニ資料館のようになっている

「お清水不動尊の水」向かいの「そば席 御清水庵」は、100%福井県産のそば粉を九、つなぎ粉を一入れる“九一”の手打ちそばを出すお店。そして、そば粉をこねる水回しの水はもちろん、ゆでる釜の湯もそばを洗う水も、さらにそば汁もすべて、お清水不動尊の水を使っています。ご主人の新保敬夫しんぼゆきおさんは趣味で続けていたそば打ちの腕が評判となり、商店街の休憩所だったここで店を始めたのが15年前。


御清水庵
TEL:0778-21-5088

「粉と水がよければおいしいそばが打てます。この水がなかったら私はそば屋を始めなかったかもしれません」

水の違いが最も分かるのがそば湯だそうで、かすかに香ばしい風味がします。「そば汁で割らずに試してみてください」とご主人は勧めます。

越前市の武生と今立にはおろしそばの有名店がたくさんあります。これはもちろん名水とは無関係ではないでしょう。


店内に引かれた湧水

新保敬夫さん


御清水庵のおろしそば(550円)はのど越しがとても滑らかで、それでいてしっかりとコシがある

問い合わせ先

  • ・黒部市/黒部市商工観光課/TEL:0765-54-2111
  • ・白山市(白山百膳)/白山市観光情報センター/TEL:076-273-4851
  • ・越前市/越前市観光・匠の技案内所/TEL:0779-88-1115
水の良さはすべての食を際立たせてくれます。おいしい水は米や野菜や魚などおいしい食材を育み、繊細な味わいが料理人の舌を鍛えてくれます。
北陸の食がおいしいのは、このように北陸が名水に恵まれているということと、大いに関係があるのです。

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